<文化環境研究所 News> 第16号
2001.4.13発行

テーマパークを成功させるには資金力だけでなく、
周辺に相当の人口を抱えることが不可欠と指摘されています。
国内で、この条件を満たすテーマパークは非常に少ないため、
東京ディズニーランドの独り勝ちが続いている状態です。
3月31日大阪に、関西の起爆剤として期待されている
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが、オープンしました。
また9月には、東京ディズニーシー(千葉県浦安市)も
満を持して開業する予定です。

今号の話題では、 21世紀を迎えて登場した「新しいテーマパーク」に焦点をあてます。

−お知らせ−


新展示「マルチメディア」登場/新潟県立自然科学館

2月24日、新潟県立自然科学館に新しい展示が登場しました。
この展示の開発には、文化環境研究所のホームページや メールマガジンの運営に協力いただいている サイバーネットワークさんが関わっています。

♪.サイバーネットワーク・鎌田さんからの情報です。
展示の世界にも、インターネットなどネットワークに関した いわゆるIT展示が増えていますが、 子供向けにゼロから開発されたものはまだ多くありません。
2月24日、新潟県立自然科学館に子供向けの本格的なIT展示 「マルチメディア」がオープンし、人気を呼んでいます。

展示は、それぞれパソコンをサーバーやインターネットと ネットワークして展開していますが、 パソコンを意識させない展示、逆に敢えてキーボードを置き パソコンを操作することも目的としているコーナーと、 目的に合わせたバリエーションのあるコーナー作りがされています。

▼マルチメディアであそぼう
メインのコーナーで、12人が同時のネットワークを使った 遊びを体験することができます。
コンテンツは3つ用意されていて、遊びの基地を模した画面で 選択することができます。
全て画面に触れるだけのインターフェイスとあって、 操作は幼児でも可能な容易なものになっています。
*「メールクラブ」→自分の顔を取り込んで様々なお絵書き道具で 加工した絵メールを、ネットワーク越しに12台で送りあって 作品を作ることができます。
作品は、プリントステーションでカレンダーやハガキの形に プリントして持ち帰ることもできます。

*「おしゃべりネットワーク」→12人が同時に それぞれの顔を見ながら、キャラクターの司会でお話できます。
本格的なTV会議でも4地点同時程度なので、 12人同時は他に例がないコンテンツです。

*「HPを作ろう」→3つのコンテンツの中ではちょっと上級者向けで、 遊ぶには資格試験に当たるクイズをクリアする必要があります。
これは、作った作品が実際にインターネットに発信されるHPになるため、 ある程度利用者を限ろうとしているためです。
しかし、HP作り自体は画面に触れるだけの操作なので、 だれでも絵と文章で構成された自分のHPを作ることができます。
このコーナーで作られたHPは http://www.lalanet.gr.jp/nsm/のアドレスで、 <新展示「マルチメディア」で作ったホームページを見る>のボタン を押すと見ることができます。

▼インターネットコーナー
低学年向けの「ちびっこインターネット」と 高学年から大人向けの「インターネット」の2つの展示用意されています。
特に低学年向けに用意された「ちびっこインターネット」は、 画面に表示された絵ボタンに触れるだけで、 世界のインターネットHPを見ることができます。

この他、マルチメディアシアター、大型のTV会議スタジオなど、 「マルチメディア」に関する盛りだくさんの展示が用意されています。

こちらで、新展示の概要がご覧になれます。
http://www.lalanet.gr.jp/nsm/multi.html
[サイバーネットワークURL] http://www.cyber-net.co.jp/

新潟県立自然科学館
〒950-0948 新潟県新潟市女池南3丁目1番1号
TEL 025-283-3331
FAX 025-283-3336
E-mail nsm@coral.ocn.ne.jp
開館時間  9:30〜16:30(入館は16:00まで)
休館日 毎週月曜日と12月28日〜1月4日
(月曜日が祝日または振替休日の場合は翌日)
※このほか、設備点検整備のための休館日があります
[新潟県立自然科学館URL] http://www.lalanet.gr.jp/nsm/index.html



特別展「青木世一のきっと木っとキット」展
浜田市世界こども美術館(島根県浜田市)

Cultivate13号でも取り上げました「浜田市世界こども美術館」さんで
「青木世一(せいち)のきっと木っとキット」展が開催されます。
ベニヤ板を使用した独自のスタイルで、作品制作に取り組んでいる 青木世一さんの作品約20点が、特別展で紹介されます。

今回は機械や道具をモチーフにした《木械(きっかい)シリーズ》と、 ゴッホやセザンヌなどの名画を立体化させた《名画シリーズ》が 展示される予定。
みるだけでなく、楽しい仕掛けもたくさん用意されているそうです。 以下、パンフレットからの抜粋です。

1.木械シリーズ
展示期間:4月7日(土)〜6月3日(日)
日常的な機械や道具から、本来の機能を取り去ったり、 別の機能を付け加えたりすることで、 アオキ流木械は誕生します。 別名「ながめる機械」「みる装置」。 そこに物語性が加わることで、 さらに不思議な世界が演出されます。
≪アダム&イブ≫≪ジャックとタイプライター≫など約10点を展示。

2.名画シリーズ
展示期間:5月3日(祝)〜6月3日(日)
名画の世界を立体にしたらどうなる?
こんな難題に挑戦した結果、誕生したのが「アオキット」。
巨匠と呼ばれる画家たちが絵の中に閉じ込めたモチーフを、 アオキ流に再現してしまったのです。
平面と立体の関係の不思議さを追及し、提示した作品です。
≪ゴッホ=キット≫など約10点を展示。

浜田市世界こども美術館
開館時間:午前9時30分〜午後5時
休館日:毎週月曜日・国民の祝日の翌日・年末年始・展示替期間
観覧料:大人400(300)円/高校生・大学生200(100)円/
    小・中学生100(50)円 ( )内は20名以上の団体料金
住所:島根県浜田市野原町859番地1
TEL.0855-23-8451 FAX.0855-23-8452
E-mail hama-b@mx.miracle.ne.jp
[浜田市世界こども美術館URL]
http://www.web-sanin.co.jp/local/hamada/mcma.htm



美術品観察学会のメーリングリストに参加しませんか

「ミュージアム・マガジン・ドーム」などの編集に携わっている 山本育夫さんが主宰しているメーリングリストを紹介いたします。
美術品観察学会のメーリングリストは、美術が好きな人・美術館関係者・ 美術ジャーナリスト・美術評論家・美術雑誌編集者・ ミュージアムマガジンドームの読者・アートマガジンエルアールの読者 など、約500人から構成されています。

このMLには以下の方法で、入退会できます。
参加する場合は、E-mail → aw-ml-subscribe@egroups.co.jp
のアドレスに、何も書かないメールを送るだけで自動登録されます。
退会する場合は、E-mail → aw-ml-unsubscribe@egroups.co.jp
のアドレスに、何も書かないメールを送るだけで自動退会できます。
なにかの都合で一時メールを止めたいときは、2の方法をとり、 また復活したいときは、1の方法をとればいいということになります。

問い合わせ:山本育夫さん E-mail yamaiku@mxb.mesh.ne.jp
[山本育夫事務所URL] http://www2a.biglobe.ne.jp/ ̄yamaiku/

−今号の話題−


21世紀を迎えて登場した「新しいテーマパーク」

2001年の大きな話題となりそうなのが、 日本の東西でオープンする東京ディズニーシー(TDS)と ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)です。
一方、米国では「古き良き時代」「自然」「産業」 といったキーワードのテーマパークが出現しました。

苦戦が続いている国内のテーマパーク経営で、 唯一の勝ち組である東京ディズニーランドが、 満を持してオープンを予定しているTDSは、 海にまつわるさまざまな物語をテーマにした 世界でただひとつのディズニー・テーマパーク。
まだ、一般公開されていないので詳細は掴めませんが、 現在、工事自体は9割方終了している模様です。

東京ディズニーランドは、アトラクションの面白さ以外にも、 造形物の表現方法、サインの考え方等々、 興味深い点が、非常に多いのですが、 TDSも同様に、東京湾に面したロケーションの活用など、 ランドスケープ的にも見るべきところが多いとの噂で、 色々な方面から注目を集めそうです。
[TDS公式URL] http://www.tokyodisneysea.co.jp/

一足先に開業したUSJでは、「ジュラシック・パーク」や 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」など 乗り物で移動しながらストーリー展開していくライド物と、 「ウォーターワールド」や「バックドラフト」など 実際の炎とハイテク演出を駆使したライブショーが評判だそうです。
そういえば、サファリパーク型の動物園でも園内バスに乗って、 インタープリターの説明を受けるツアーの人気が高いですし、 防災センターなど、防災意識を啓発する施設でも、 映像による消火訓練のシミュレーションより、 実物、火を使った消火訓練の方が遥かに緊迫感があるのは確かです。
ただエンターティメントをテーマとした施設は、 如何に対価分の娯楽を来館者に提供するかが使命ですので、 公共の展示施設にテーマパークの手法を何から何まで取り入れても、 それを支える運営的な機能や予算が伴わない限り、 絶大な効果を産まないと個人的に思っています。

とにかく9月4日以降、どっちがよくできている。
面白いとの比較話が、あちこちで聞かれそうです。
[USJ公式URL] http://www.usj.co.jp/index1.html

一方、テーマパークの総本山である米国・ディズニーランドでは、 新テーマパーク、ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー (DCA)が人気を呼んでいるようです。

約20万平方メートルの広大な敷地に、 約1,540億円をかけて建設されたDCAは、 古き良き時代のカリフォルニア・ビーチエリアに タイム・スリップした『パラダイス・ピア』、 カリフォルニアの豊かな自然、 そこから生まれる食文化をテーマにした『ゴールデン・ステート』、 アメリカが世界に誇る産業である映画、 その映画文化の発祥の地、ハリウッドをテーマにした 『ハリウッド・ピクチャー・バックロット』の 3つのテーマエリアから構成されています。
この「古き良き時代」「自然」「産業」といったキーワードが 日本のテーマパークなどにも持ちこまれそうです。

ディズニー社によると、テーマパークの収益は昨年、 会社全体の26%を占めたそうで、 今後も積極的にテーマパークの建設を進めていく方向です。
また訪問者の滞在時間が伸ばすため、 テーマパーク内のレストラン、ショッピングモール、ホテルなど 魅力のある施設もアトラクション同様、増やしていく考えです。
ちなみに、アナハイムのディズニーランド訪問者の滞在は平均1.5日。
フロリダのディズニーワールドは平均5日だそうです。

テーマパークは、人々の余暇を取りこむ点から考えると、 博物館や自然学校と競合関係にあると思われます。
ますます博物館や自然学校で果たすべき使命と役割、 競合と棲み分ける戦略が必要とされます。
[DCA日本語URL]
http://www.disney.co.jp/usparks/dl/dca/index.html
[DCA英語URL]
http://disneyland.disney.go.com/disneylandresort/CaliforniaAdventure/


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