<文化環境研究所 News> 第23号
2001.7.31発行

夏休みに突入し、「博物館」も書き入れ時ですが、
今号の話題では、一服の涼を求めて
水に関する「生物」や「環境」をテーマにした施設三つを紹介します。

−お知らせ−


日本ミュージアムマネージメント学会 理論構築研究部会
平成13年度 第1回研究会

日本ミュージアムマネージメント学会事務局からの情報です

日本博物館協会においてとりまとめた報告書
「対話と連携の博物館−理解への対話・行動への連携−」
とその要約版について,
委員会の中心的存在として精力的におまとめになったお三方に,
その検討の経緯と今後の展開についてご紹介いただき,
会員との「対話」集会を企画しました。
これまでの白書とは異なり,そのフォローアップをも提案したもので,
「行動する」博物館を提案しています。
今後の日本における博物館・美術館の枠組みを考えるヒントが
得られるものと期待しております。
会員以外の方の参加も可能です。御気軽に御参加下さい。

●テーマ 21世紀の博物館・美術館を考える −対話と連携−
●内容
 1.「対話と連携の博物館」の検討の経緯と今後の方向性
 2.海外の博物館に何を学ぶか
 3.21世紀の博物館・美術館の戦略
●パネリスト
中川志郎(ミュージアム・パーク茨城自然博物館長)
富山秀男(ブリヂストン美術館館長)
五十嵐耕一(日本博物館協会専務理事)
●日時 8月4日(土)午後2時00分〜4時30分
●場所 ブリヂストン美術館 1F美術館ホール
 東京都中央区京橋1丁目10番1号
●参加費 資料代として当日500円を徴収させていただきます
 (会場の都合により先着120名が参加可能です)
●申込み先 ミュージアム・マネージメント学会事務局(JMMA)
Tel・Fax 03-3455-1505
[日本ミュージアムマネージメント学会URL] http://www.jmma.net/




日本財団セミナー 「海、川、水が教えること」
「総合的な学習の時間」への提案 第2弾

小中学校の先生、博物館の学芸員を対象に
「海、川、水」をテーマとした「総合的な学習の時間」について
考えるセミナーが開催されます。

●日時 平成13年8月31日(金) 13:30〜17:00
●場所 船の科学館(東京都品川区東八潮3-1)
    新交通ゆりかもめ「船の科学館」駅下車
●プログラム予定
1.研究発表
海と陸をむすぶ水と植物/西田治文(中央大学教授)
地球の渦(仮題)/木村龍治(東京大学海洋研究所教授)
2.討論会
コーディネーター/濱田隆士(放送大学教授)
●定員 100名(先着順)
●対象 小中学校の先生、博物館の学芸員
●参加費 無料
申込みは、専用の用紙に限られていますので、
参加希望の方は、事務局から申込み用紙を取り寄せてください。
●問合せ先
日本財団海洋船舶部(担当:福田・柏田・前田)
TEL:03-6229-5152 FAX:03-6229-5150
E-mail Maritime-jpn@ps.nippon-foundation.or.jp
[日本財団URL] http://www.nippon-foundation.or.jp/




サバンナの夕べとバーベキューを楽しむ集い 多摩動物公園
夕暮れどきの園内で、キリンやぺリカンなどの動物たちが
夜をむかえるようすをゆっくりと観察します。
また、飼育係員によるスポットガイドも開催予定。
夕食は木炭(当園炭焼釜製)を使ったバーベキューが提供されます。

●日時 8月18日(土) 雨天の場合は19日(日)
    8月25日(土) 雨天の場合は26日(日)
    各日とも午後5時〜午後8時30分
●場所 多摩動物公園内(おもにアフリカ園)
●定員 各日250名(中学生以下は保護者同伴)
●参加費 おとな 1,000円 小学生以下500円
●申込方法
往復はがきに、参加者全員の氏名・年令・希望日・代表者の住所・
電話番号を明記し、返信面には代表者の住所・氏名を記入のうえ、
下記までお送りください(1グループにつき1通のみ)。
応募多数の場合は抽選をおこない、結果を応募者全員にお知らせします。
●申込み先 〒191-0042 日野市程久保7-1-1 多摩動物公園
      「サバンナの夕べとバーベキューを楽しむ集い」係
●締切 8月11日(土)必着
※雨の場合は翌日に延期。当日の予定は午後2時に決定。
[多摩動物公園URL] http://www.gws.ne.jp/tama-city/tama-zoo/

−今号の話題−


長崎・下関・北九州にある「水生生物」や「水環境」を
テーマにした「博物館」「展示施設」について紹介します。

□ 長崎ペンギン水族館(長崎県長崎市)
□ 下関市立しものせき水族館 海響館(山口県下関市)
□ 紫江’S水環境館(福岡県北九州市)
□ 長崎ペンギン水族館
◆≡ ユニークな点 ≡◆
ペンギンに特化した水族館で、国内において唯一、7種類のペンギンを
(オウサマ、ジェンツー、イワトビ、ケープ、フンボルト、マカロニ、
マゼランペンギン)ひとつの施設で見ることが可能。

◆≡ ここが見所! ≡◆
エントランスの左側には、深さ4Mのプールが設置されており、
ロケットのように水中を泳ぐペンギンの姿が観察できます。
このように水の中でキビキビと泳ぐ様子が見られる施設は少ないようです。
長崎ペンギン水族館は、1998年3月に閉館した長崎水族館(1960年開館)
の跡地に、今年4月に再オープンした施設です。
昔から長崎水族館と言えば「ペンギン」が代名詞で、
世界的に見てもレベルの高い、飼育「技術と環境」を保持しています。
国内で初めてペンギンの人工繁殖に成功したのも、この水族館ですし、
人口飼育下、長寿世界一記録を持つ「ギン吉くん」も飼育されています。
条件なく、楽しめる飼育展示以外にも、
ペンギン生態や生息環境に、まつわる様々な情報が提供されています。
また、注目いただきたいのは解説パネルで、
非常に丁寧に手をかけてつくられている印象を受けました。
パネル自体はかなり情報量が多いのですが、
興味を引くため、下記のような様々な試みられているのが特徴です。

1.簡易な模型や仕掛けをフックに、パネルにまず引きつける工夫
2.生物の紹介は、写真よりもわかり易いイラストを多用
3.使用する文字は、親しみ易く、楽しそうに見えるフォントを用いる
4.せっかちな人用に、動物の見所をピンポイントで紹介

新しい水族館になってまだ実施されていませんが、
冬場にはキングペンギンの園内パレートの再開が予定されています。
これを目当てに県外からも多くの観光客が訪れそうです。

長崎ペンギン水族館/長崎市宿町3-16 TEL 095-838-3131
開館時間 午前9時〜午後5時
休館日 毎月第3水曜日(祝日の場合は翌日が休館日となります)
入館料 大人500円 就学前の3歳未満児〜中学校生徒300円
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/penguin/index.htm


□ 下関市立しものせき水族館 海響館
◆≡ ユニークな点 ≡◆
関門海峡など下関近海の環境と、フグ・クジラ・ウニなど
下関市民とかかわりの深い水生生物に焦点をあてた展示で構成。
フグの展示に関しては国内最大級の規模。

◆≡ ここが見所! ≡◆
館内4階には小さな関門海峡を再現するコーナー「海の響」があります。
造波装置を駆使し、瀬戸内海・関門海峡・日本海を模した水槽の中で
潮流や波、そして有名な関門海峡のうずしおを見ることができます。

旧下関水族館をリニューアルした海響館は、今年4月に開館しました。
6月17日には来場者が46.7万人を記録、滑り出し順調です。
対岸の門司港(北九州市)とは連絡船で5分程の距離にあるため、
門司港レトロ地区との連携を今後、強化するのだそうです。
水族館は門司港から到着した船着場から歩いてすぐの場所にあります。
私も船を利用して水族館に行きましたが、意外と波の揺れを感じました。
揺れる理由は、関門海峡を擬似的に再現するコーナー「海の響」で、
関門海峡の複雑な潮流などを、断面から観察し、理解しました。
水族館は地域的な特色が出ていて個人的に面白いと感じたのですが、
地元の人の中には展示されている生物やテーマについて
「ちょっと地味」だと思っている人もいるようです。
また、対岸の門司港では、
『行きたいけれども、家族全員ではちょっと』という声も聞きました。
下関市民は半額の料金で入場できるそうで(良い試みだと思います)
同時に市民以外にも、条件が揃えば割引してくれる制度が望まれます。

下関市立しものせき水族館 海響館/下関市あるかぽーと6-1
TEL 0832-28-1100
開館時間 午前10時〜午後6時
     日、祭日、第2第4土曜日は9:30より開館
休館日 年中無休
入館料 大人 1,800円 小・中学生 900円 幼児 400円
http://www.kaikyokan.com/


□ 紫江’S水環境館
◆≡ ユニークな点 ≡◆
北九州市のシンボル河川である「紫川」。
その治水を目的に整備された箱型護岸の内部空間を利用した
水辺環境に関する展示学習施設。

◆≡ ここが見所! ≡◆
護岸の一部に紫川を真横から観察できるアクリル製の窓を設け、
都市部における自然河川の様子が、護岸の内部から観察できます。
汽水域にあることからハゼやスズキなど海水魚の遊泳する姿や、
海水の遡上によって生じる塩水と河川水の境界「淡塩境界面」も
条件があえば観察することができます。
水環境館の建設から運営は、社会教育や学校教育を司る部署でなく
北九州市建設局下水道河川部水環境課の手によって行われています。
市民と協同で「考え、具現化する」が水環境館のキーワードで、
整備に際しても、市民から様々なアイデアを募り、
建物のデザインや展示内容などに活用されました。
(エントランスのパネルでその経緯について詳しく解説しています)
展示室の半分は「市民交流ゾーン」として、川を大切にするグループの
活動紹介や地元小学生の書いた川の絵や作文など
市民の手による展示スペースとして開放されています。
また「紫川に住む魚たち」の飼育展示では、
北九州高校の部活動(魚部=ぎょぶ)と連携して行われています。
生徒が展示の企画から魚類の採捕、解説パネルの作成と水槽管理、
全てに関わり、全国的にも注目を集めています。
展示以外にも子どもを対象とした、川と親しむイベントも、
水環境課職員を中心に多く実施されています。

紫江’S水環境館(福岡県北九州市)
北九州市小倉北区船場町1-2
TEL 093-551-3011
開館時間 午前10時〜午後7時(7〜9月は午後9時)
休館日 毎週水曜日
入館料 一般 100円 小・中学生 50円
http://www.qbiz.ne.jp/cecera/

予断になりますが、長崎水族館の閉館時には、
長崎市民から市に対し存続の嘆願が多くあったと聞きます。
その声を長崎市が聞き入れ、
おとり潰しから再興の道へと相成ったわけですが、
その原動力は一体なんだったのでしょうか。

今回紹介した施設は、「水」に関連したテーマを扱っている以外にも、
何かひとつ以上、施設の「特色」を持ち、
それを全面に打ち出した展示と施設づくりに共通点がありました。
長崎の場合、ペンギンの繁殖技術と環境がそれにあたるわけですが、
ただ関連した「調査研究」だけのみに勤しむのでなく、
そこから分ったことや技術を用い、繁殖や展示というわかり易い形で
市民に常にフィードバックしていたことが、
多くの理解者を育んだのだと推測します。

調査研究の結果解明した事実を、解りやすい言葉で解説し、
市民との関連性の糸口を提示する。
そのような施設は確実に増えているようです。


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info@bunkanken.comまでお送り下さい。
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