<文化環境研究所 News> 第25号
2001.9.14発行

今号の話題では、
シーライフ・パーク・ハワイで実施されている
生きたイルカを活用したプログラムについて(後編)、紹介いたします。

−お知らせ−


日本ミュージアムマネージメント学会 制度問題部会
平成13年度 第1回研究会
♪.日本ミュージアムマネージメント学会事務局からの情報です

昨年、文部省の学芸員等在外派遣研修生として、
3ヶ月間、オーストラリアの国立科学技術センターを中心に
博物館・科学館の調査をされてきた守井典子さんにご報告いただきます。
欧米の博物館とはまた違った事情をお聞きできるものと期待しております。
会員以外の方の参加も可能です。御気軽に御参加下さい。

●テーマ オーストラリアの博物館事情
●内容
 1.オーストラリアの博物館制度について
 2.各州の博物館・美術館・科学館について
 3.国立科学技術センター(クエンコスタ)の活動について
●発表者
守井典子(国立科学博物館 教育部企画課 研究官)
●日時 10月13日(土)午後2時00分〜4時30分
●場所 国立科学博物館 みどり館 特別会議室
●申込み先 ミュージアム・マネージメント学会事務局(JMMA)
Tel・Fax 03-3455-1505 必ず、申込みをされてからご参加ください。
[日本ミュージアムマネージメント学会URL] http://www.jmma.net/




文化環境研究所のホームページに
「Cultivate14号」と「文環研レポート16号」を更新しました

★ 「Cultivate14号」(特集/エコツーリズムと文化環境)
「Cultivate14号」の掲載記事から、
1.第四次観光革命=「観光ビッグバン」とエコツーリズム
  石森秀三(国立民族学博物館教授)
2.「自文化の自分化」と地域の記憶の掘り起こしを
  吉兼秀夫(阪南大学教授)
3.砂浜美術館的ツーリズム ぼっちぼっち
  水野聖子(砂浜美術館事務局)
の3つをURL用に加工しました。
これ以外の記事は、PDF形式でご覧になれます。
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★ 環境教育教材の開発 −印刷物を中心として−
  津田雅人(文化環境研究所)
環境教育のための教材は、どのように計画され、作成すると、
期待された効果を得られるのでしょうか。
本稿では環境教育教材の中から印刷物に焦点をあて、
具体的なサンプルを見ながら
計画の基礎から、どうしたら魅力的に仕上がるかを考えます。
(文環研レポート16号掲載記事)
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★ 様々な面でアクセスが自由な水族館 ‐シドニー水族館‐
  吉岡伸(文化環境研究所)
年間100万人以上をコンスタントに集客しているシドニー水族館。
その運営の視点は、娯楽を目的とした「観光」に重きを置れています。
多くの人々に足を運んでもらうためのハードの整備はもちろん、
様々な方法でアクセスしやすい環境を日夜整えています。
レポートでは、この具体例を紹介し、考察を加えます。
(文環研レポート16号掲載記事)




文化環境研究所ジャーナルが更新されました
文化環境研究所ジャーナルが9月5日に更新されました。
よろしければご一読ください。(次回は10月5日更新の予定です。)
http://db.bunkanken.com/journal/journal.php3
[掲載記事]
1. イルカに実際「触れあい・学ぶ」プログラム
吉岡伸 (よしおかしん)
水族館で飼育されているイルカを活用したプログラムについての報告です。
有料で、小人数しか対応できませんが、
生きた生物に実際手を触れ、学ぶメリットは大きいようです。

2. 「街並みの美学」に学ぶ「湿度」
城ヶ崎祐子(じょうがさきゆうこ)
建築家の芦原義信氏は、
「街並み」を構成する大きな要素として「湿度」をあげている。
アナウンサーである著者は、「モノの言い方や考え方」にも、
この「湿度」が大きく影響しているのではと、考えている。

3. リアルとバーチャルの狭間で、
鎌田裕一郎 (かまたゆういちろう)
ATR-MIC というユニークな研究をする研究所を訪ねる機会を得た。
そこで、日本のメディア系の異色の研究所を幾つか取り上げてみた。

4. 伝統文化である「能楽」をいかに現代にいかせるか
高橋寿佳(たかはしひさよし)
「能楽」ってみたことありますか?
ユネスコから今年、無形遺産として指定をうけました。
指定は受けたものの、盛り上がりは今一つのようです。
伝統文化である「能楽」は、今にどういかせるのでしょうか?

5. 「道」を人間の暮らしの中に取り戻し、
癒しの空間として再生、創造していく試み
―香川県長尾町の「へんろ道」整備計画プロジェクトに参画して―
高橋信裕(たかはしのぶひろ)
全国各地で歴史遺産を現代に活かす試みが盛んに行なわれているが、
四国では「へんろ道文化」を
世界遺産化していこうという市民運動が活発化している。
その現場から21世紀の「道」のあり方についてレポートする。

−今号の話題−


生きたイルカを活用したプログラムについて(後編)

前号に引き続き、シーライフ・パーク・ハワイで実施されている
イルカを活用したプログラムについての報告です。
●いよいよイルカたちと対面

手による合図を一通り学んだ後、いよいよイルカたちとのご対面です。
当日は三頭のイルカが、お相手をしてくれました。
イルカ一頭につき、トレーナーがひとりと、
五人程度の参加者が一つのグループになり、
まず、ご挨拶がわりにちょっと冷たく、ツルツルしたイルカの体に
ひとりづつ触れます。
暴れないかと恐る恐る手を伸ばす参加者もいました。
三頭のうち、年をとった目の悪い一頭は、
さすられるのが非常に好きだとのことで、
そのイルカにあたったグループは特に念入りにさすってあげます。
その後、ひとりづつイルカに歌やダンスの合図を送り、
要求に応えてくれたら、
ご褒美の魚をイルカの口めがけて放り込むのですが、
そこでもイルカの口の大きさや
歯の鋭さや臭いなどに一様に驚いた様子で、
中には腰を引きながら餌をあげている姿も見られました。
そんなこんなしているうちに、
一時間程度のプログラムはあっという間に終了してしまいます。


●家に持ち帰れるツールの効果

プログラム終了時には、
トレーニング完了を証明する「終了証」の授与式が
華々しくとりおこなわれます。
その時『イルカについて学ぼう』という日本語で書かれた冊子が、
一緒に配布されるのですが、
少ないページ数にも関わらず、わかりやすくまとめられています。
冊子の前半部分は
「イルカの仲間であるクジラ目について」
「体のつくり」
「シーライフ・パークでのトレーニング」
「ハワイの海洋生物」など、イルカに関わる基礎的な知識で構成され、
後半は、
「ハワイの微妙な自然環境」
「シーライフ・パークの保護活動」
「あなたにもできる海洋環境の保全」など、
ぐっと教育・環境教育的な内容でまとまられています。
そして最後には「スプラッシュU」に触発されて、
もし海の生物に関わる仕事がしたいならば、
こんな分野の勉強が役立ちますという類の情報が提供されています。
始められてまだ数年しか経っていませんが、
この経験が元で調教師や海洋生物学者になる子供たちも、
そう遠くない未来に現れるかもしれません。
話は前後しますが、イルカと対面したらすぐ、
ツーショット写真を一人づつ撮影します。
写真はプログラム終了後、売店前に掲示され、
気に入れば購入することができ、
参加者の大半は良い想い出として買っていくようです。
このような写真や終了証など、家に持ち帰れるツールは、
それを見るたび、
得た感動や知識が甦ってくる持続的な力を持っています。


●心に残るような体験や知識が
さりげなく散りばめられているプログラム

野生動物は本来の生息環境で、様々な面に配慮しつつ、
最小限のインパクトで観るのが最善と筆者も思います。
しかし、観察時期や場所が限られたり、
環境に同化して上手く観られないとか、
観察そのものが難しい場面が多々あると聞きます。
その点、
水族館・動物園はいつでもお目当ての動物が見られる利点があります。
現在、シーライフ・パークに存在する野生動物は、
館内で繁殖もしくは、野生で負傷して保護されているものが中心で、
完全な野生の状態とは言えませんが、
これらを観察だけでなく、
小人数のインタープリテーション(情報解説)に活用することは、
動物の持つ魅力を最大限引き出すだけでなく、
その背後にある様々な情報を伝える強い力を有します。
皆さんのご家庭でもそうだと思いますが、
子供を水族館・動物園に連れてきてまで勉強しろと言いませんよね。
利用する親の立場から言わせてもらえば、
それなりの入場料を支払っていますので
「まず子供に楽しんでもらいたい」、
その中でできれば何か心に残るような体験や知識が
さりげなく散りばめられている。
そんなプログラムが希望なのではないでしょうか。
今回参加した「スプラッシュU」は、
肩肘がまったくはらないリラックスした状態で、
子供も大いに楽しみ、心に残る体験と知識を得たようです。

シーライフ・パーク・ハワイ http://www.sealifeparkhawaii.com/
スプラッシュU http://www.sealifeparkhawaii.com/interactive/Splash_U.asp
シーライフパークのプログラム申込み(日本語)
http://www.yadoroku.co.jp/fmpro?-db=ITEM.fp5&-lay=web&-format=opt_detail.htm&REF_ITEM=175&-find


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