<文化環境研究所 News> 第37号
2002.3.29発行

今号の話題では、先号に引き続いて、
龍ヶ崎市におけるサイン整備をきっかけにした「まちづくり」の紹介です。

−お知らせ−

■□新刊案内
  『博物館をみんなの教室にするために』
  〜学校と博物館が一緒に創る総合的な学習の時間〜

♪.高田浩二さん(海の中道海洋生態科学館)からの情報です。

>九州地域ネットワーク事業推進協議会(http://www.kmnet.gr.jp/)では、
>文部科学省の委嘱事業として、平成12年度〜13年度の2ヵ年にわたり、
>九州内の5つの科学系博物館と地域の学校や教育機関が連帯して、
>青少年が科学や自然に理解を深めることを目的に
>以下の事業を実施してきました。
>1.ネットワーク授業(遠隔授業)
>2.学習素材CD−ROM作成配布
>3.ディスカバリーボックス作成活用
>4.学習パッケージ作成活用
>
>本書は、これらの活動の成果を紹介するだけでなく、
>博物館と学校が連携した活動を行うときに役立つ
>『博物館・学校へのガイドブック』です。
>「博物館と学校を結んだ授業」に関わる執筆陣の豊富な実践報告と
>博物館への提言など、「学社融合」の姿がここにあります。
>「総合的な学習の時間」「学校の情報化」、
>学校教育の2つのキーワードから博物館の現在と未来を探ります。

◎著者 堀田龍也 静岡大学情報学部/編著
    高田浩二 海の中道海洋生態科学館/編著
    九州地域ネットワーク事業推進協議会
◎出版社 高陵社書店 http://www.koryosha.co.jp/
 〒101-0064 東京都千代田区猿楽町2-8-10
 TEL :03-3292-7408 FAX :03-3292-7409
 E-mail:aihara@koryosha.co.jp
◎装丁 B5版 128ページ
◎定価 本体価格1000円+税

◎目次

  • 博物館の情報化は学校に何をもたらすか
  • 博物館を学校の教室にするために
  • 学校と博物館がスムーズな共同学習をするために
  • ネットワーク授業の組み立て方と進め方(博物館側の留意点と課題)
  • ネットワーク授業の組み立て方と進め方(学校側の留意点と課題))
  • 学校間交流授業と博物館交流授業を比較する
  • 総合的な学習の時間におけるネットワーク授業の効果的な活用法
  • 博物館と学校を結ぶ学習パッケージ
  • 学習パッケージをつくろう
  • 博物館を活用した授業モデル学習パッケージの活用
  • ネットワーク授業で活用するディスカバリーボックス
  • ディスカバリーボックスの授業での実践
  • ネットワーク授業の窓口としてのWebの役割
  • 教育委員会としてネットワーク授業をどう支援するか
  • 九州地域ネットワーク事業推進協議会の事業概要
  • 資料集 ネットワーク授業の記録
        ディスカバリーボックス一覧
        学習パッケージ指導書、ワークシート例
◎九州地域ネットワーク事業推進協議会連絡先
 URL http://www.kmnet.gr.jp/
 〒811-0321 福岡市東区西戸崎18−28海の中道海洋生態科学館内
 TEL:092-603-0400 FAX:092-603-2261 E-mail:info@kmnet.gr.jp
◎参画した博物館
 海の中道海洋生態科学館・北九州市立自然史博物館・阿蘇火山博物館
 宮崎市フェニックス自然動物園・鹿児島県立博物館
◎関係した教育機関(平成13年度)
 福岡市教育委員会・福岡市立長丘中学校・福岡市立飯倉中央小学校
 福岡市立三筑小学校・福岡市立笹丘小学校
 福岡工業短期大学・北九州市教育委員会・北九州市立青葉小学校
 北九州市立西門司小学校・阿蘇町教育委員会・熊本市立天明中学校
 久木野村立久木野小学校・宮崎市教育研究センター・宮崎市立池内小学校
 鹿児島県教育委員会・鹿児島大学附属小学校・瀬戸内町立古仁屋小学校
 静岡大学・浜松市博物館

■□新刊案内
  「動物園・水族館の環境教育 Vol.2
  −動物園・水族館が 野生動物保全のためにできること−」

♪.長倉かすみさん(ズーラシア)からの情報です。

>動物園・水族館と環境教育をどのように結びつけることができるか、
>を考えようと 1999年秋に発足した動物園環境教育会議。
>その最近1年間の議論の記録です。
>昨年発行したVol.1から一歩前進して、
>今回は巻頭に動物園環境教育会議の6名による「主張」を掲載。
>もちろんVol.1と同様に環境教育学会の記録や
>メーリングリストでの議論の集大成も掲載されています。
>動物園関係者はもちろん、広く環境教育に関心のある方に
>読んで頂きたい1冊です。

<< 本冊子の内容 >>
編集・発行  動物園環境教育

I.主 張
高橋宏之(千葉市動物公園)
  動物園の運営と市民活動
〜富山市ファミリーパークの事例を中心に〜
松本朱実(動物教材研究所 pocket)
  市民と協同した環境教育の推進に向けて
並木美砂子(千葉市動物公園)
  「学校との連携」を考えるひとつの視点
中嶋清徳(名古屋港水族館)
  教育セクションで活かす環境教育の考え方
大島律子(CSILE Japan Project研究員)
  学びの共同体としての動物園・水族館のあり方
陸  斉(長野県自然保護研究所)
 「現代の動物園論」序説〜動物園が環境教育施設になるためには〜

II.  議 論
日本環境教育学会 第12回大会 自由集会
「動物園・水族館での環境教育の可能性を考える(2)
〜野生動物保全のためにできること〜」

III.  メーリングリスト 〜議論の軌跡〜
野生生物保全と環境教育/動物園での環境教育/動物園教育一般と組織
市民との連携・ボランティア/学校と動物園の連携

5月中旬発行予定!! 4月末日予約〆切!!
1,000円(A4版 約100ページ 送料込み)
ご注文は・・・・入金をもって注文を受け付けさせていただきます。
* 5冊以上まとめて注文いただく場合、1冊あたり900円です。
* 注文数に応じて印刷しますので、多少お時間がかかります。
――――――――――――――――――――――――――――――
以下のいずれかの方法でお申し込みください!

◎ お近くの郵便局で振込「払込取扱票(青)」(窓口での払込手数料は70円)
口座番号:00200-2-13328
加入者名:動物園環境教育会議
通信欄:「Vol.2, ○冊 希望」
金額:(4冊以下 1,000円×冊数(冊数も必ずお書きください)
5冊以上 900円×冊数)
ご依頼人:(冊子の送付先住所・電話番号と受取人氏名)

◎代金を郵送で(定額小為替をお薦めします)下記の高橋 宏之ま

代金:(4冊以下 1,000円×冊数 / 5冊以上 900円×冊数)
*「Vol.2, 冊 希望」・冊子の送付先住所・受取人氏名を明記ください。

◎お問合わせ
高橋 宏之 〒164-0001 東京都中野区中野6−21−2 090-3904-2987
長倉かすみ  Eメール  ZEEC99@hotmail.com
申込み方法や振込先など、詳しくは以下をご覧ください。
[市民ZOOネットワーク] http://www.zoo-net.org/info/book.html


−今号の話題−

■□サイン整備をきっかけにした「まちづくり」 (後編)
  ‐茨城県 龍ヶ崎市の事例‐

■三つのタイプのサインで人と車を誘導

人と車の誘導は、下記の3つのタイプサインで行われます。

タイプ1.シンボルサイン
他のまちから龍ヶ崎市に入ったことを知らせる目的で
JR佐貫駅前を始め、龍ヶ崎市につながっている主要道路における
市との境界などに設置されています。
シンボルサインは、やわらかな曲線とカラフルな色彩で、
龍の頭・胴体・尻尾を表している「造形タイプ」と、
龍ヶ崎の発展・反映を願い、
水面から大空に舞い立つ龍をイメージした「平面タイプ」の
二通りがデザインされました。

タイプ2.誘導サイン
車両誘導を中心としたサインで、
各道路に設定した誘導拠点に設置されます。
龍を模ったフレームには、
道路名称や主要施設の方向(大型誘導サイン)、
施設の方向(中型誘導サイン)、
施設の入り口もしくは付近(小型誘導サイン)、
を表わす看板がとり付けられています。

タイプ3.通り名サイン
現在位置を把握するため、道路上に設置されるサインで、
車両誘導と歩行者誘導の二つの機能に分けられます。
龍のしっぽを表現した「車両誘導タイプ」の通り名サインは、
主要な龍ヶ崎の8つの道路名称が表示され、
また「歩行者誘導サイン」では、
昔から市民に親しまれてきた「撞舞(つくまい)通り」や
「頼政通り」といった通り名称や、
新たにニュータウンにつけられた
「けやき通り」「童歌のみち」などが表記されています。

■いつもの道に新しい名前をつけよう

人や車を目的地に誘導するためには、
道に名前をつけたらもっとわかりやすくなるのではないか?
このような考えからサイン計画の詳細がつめられていた平成10年夏、
龍ヶ崎の主要な道路に愛称をつけてもらう、
「道のなまえ・大募集」が実施されました。
夏休みを利用して、「道」の愛称とその理由、
道の名前を考えた過程で調べた様々な事柄について、
文章や写真、スケッチ等で表現してもらいました。
市内に住む小中学生を中心に、参加を呼びかけた結果、
141点の応募がありました。

8つの主要な通りにつけられた名称と理由は下記の通りです。
ほたる通り/昔のようにホタルを呼び戻したい
城山通り/中世の城下町を後世に伝えたい
みず穂通り/みずみずしい稲穂が美しい
だんご塚通り/だんご塚古墳がある
おなばけ通り/女化神社に通じる
たつのこ通り/たつのこやまがある
白鳥通り/白鳥が住む牛久沼に通じる
ぬく森通り/森林公園と心の温かさを強調

採用された作品以外も、
スケッチや文章を駆使した自分の考える「ふるさとへの思い」や
「まちに対する夢」が詰まった名前がたくさん寄せられました。

■通りをイメージしたキャラクターと色

それぞれの通りに名前がつきましたが、それと同時に
通り名称をイメージしたキャラクターもデザインされました。

ほたる通り/かって通り沿いで光っていたホタルをイメージ
城山通り/中世に栄えた龍ヶ崎城をイメージ
みず穂通り/通り沿いに広がるみずみずしい稲穂をイメージ
だんご塚通り/だんご塚にまつられるオトタチバナヒメをイメージ
おなばけ通り/おなばけ伝説に登場するキツネをイメージ
たつのこ通り/勇ましい龍のこどもをイメージ
白鳥通り/牛久沼で優雅に羽を休める白鳥をイメージ
ぬく森通り/森林公園でのキャンプをイメージ

キャラクターとあわせて、通り毎のイメージカラーも考えられました。
このイメージカラーは誘導サインのフレームの色として、
またキャラクターデザインは、フレームの中央部分に設え、
文字以外の情報を、ひとつのサインの中に盛り込む工夫が施されました。

■まちが抱える様々な課題解決のきっかけとしてのサイン

サインが設置された年(平成11年)の冬、
『龍ヶ崎発見もときめきストリート』(A2版、8つ折り)と題した
地元の小中学生向けの、サインを読み解きながら
市内を歩くマップが発行されました。
新しいサインはどこに設置され、つけたられた道の名称やその理由、
こめられているメッセージなどがマップの表面に記載されています。

裏面には「歴史」「自然」「行事」の3つのカテゴリーから、
まちに隠された「ひみつ」を発見しながら歩く、
クイズ仕立てのマップになっています。
『出題されている答えがわかったら、
(もちろんわからなくてもOKですが)
 龍ヶ崎市歴史民俗資料館に行ってみましょう。
 この他の、まちのひみつも調べることができます』と、
既存施設である資料館活用の動機付けにも
一役買うように作られました。

このように龍ヶ崎市では、サインの中に歴史や民俗、自然など
人と地域の関わりついてを持ちこむことで、
市民のまちに対する興味を促すとともに、
未来のまちづくりを考えていくツールとして活用されました。
サインというと、どうしても人と車の誘導を中心に考えがちですが、
まちの抱えている様々な課題を解決するきっかけづくりとして
広く他の地域でも展開ができそうです。
皆さんの街中にあるサインもひょっとすると、
龍ヶ崎市同様、サインの中にメッセージが隠されているかもしれません、
そのような事例がございましたら編集部までご紹介下さい。

 

龍ヶ崎市役所 http://www.net-ibaraki.ne.jp/ryugasaki/


皆さんの「おススメ」情報がありましたらご紹介ください。
info@bunkanken.comまでお送り下さい。
ご紹介した行事等のお問い合わせは各連絡先まで、直接お願いいたします。