<文化環境研究所 News> 第39号
2002.4.30発行

今号の話題では、 前号に引き続き「奄美パーク」の展示施設「奄美の郷」について紹介いたします。

−お知らせ−

■□ロサンゼルス・全米日系人博物館巡回展 
  −弁当からミックスプレートへ 多文化社会ハワイの日系アメリカ人−  

全米日系人博物館の巡回展
「弁当からミックスプレートへ 多文化社会ハワイの日系アメリカ人」は、

今年、広島県立美術館(5月24日〜6月23日)と、
新潟県立歴史博物館(10月19日〜11月24日)で開催予定です。
また、巡回展のホームページも開設されましたので是非ご覧下さい。
http://www.kustos.ac/janm/index2.html
(以下、全米日系人博物館ホームページから転載いたしました)

>海を越えた日本の外に,
>百年以上の日本人の歴史があることをご存知ですか?
>明治の初めに広島県や新潟県から,
>ハワイやほかの国に移民した人々の歴史です。
>あんがい皆さんの回りにも移住した親戚や知人がいるかもしれません。
>
>例えばハワイには広島県人会,新潟県人会といって,
>祖先を日本に持つ日系人たちの集まりがあります。
>何十年も前に移民した人たちのこどもや孫の集まりです。
>今も日本の親せきと交流があり,里がえりする人もいます。
>
>今回の展覧会はハワイに住むこのような日系人によって企画されました。
>みなさんに,自分たちのハワイでの百年の歴史を知ってもらうため,
>多くの日系人が写真や大切にしまっていたものを持ちよりました。
>この手作り展覧会は,多くの人々に感動を与え,ハワイ,ロサンゼルス,
>ワシントンのスミソニアン博物館などを巡回しました。
>その後日本語版が作られ,
>今年は広島(広島県立美術館5月24日〜6月23日)と,
>新潟(新潟県立歴史博物館10月19日〜11月24日)
>で開催される予定です。
>
>もしあなたが百年前に移民していたら,
>そこにはどのような生活が待ちうけていたでしょう? 
>そう思ってこの展示を見ると,きっと想像もしない,
>さまざまなできごとに遭遇するでしょう。
>
>このウエブ・サイトでは,当展覧会体験のための事前学習や
>事後学習の参考になるものを用意しました。
>巡回展以外にも,このウエブ・サイトでは,「移民」や
>「日系人」の歴史について基本的な学習資料を紹介します。
>日本語で読める参考書のリストもあります。
>
>何はともあれ,展覧会にぜひ足をお運びください。
>展示室にはボランティアさんが待機していて,
>日系人についていろいろな話しや,ゲームも紹介してくれます。
>お友だちや家族と出かけて,日系人百年の歴史を体験してください。

[全米日系人博物館URL] http://www.janm.org/jpn/main_jp.html


■□蒸気機関車の定期運転公開のお知らせ
  日本工業大学 工業技術博物館(埼玉県南埼玉郡)

日本工業大学創立80周年記念事業として
昭和62年に建設された工業技術博物館では、
平成14年4月より2100型−2109型蒸気機関車を
動態保存・展示しています。
この蒸気機関車は定期的に有火運転し、
一般公開されています。
また館内では技術史的な観点から収集された工作機械類が
動態保存の形で展示されています。

運転予定日時:毎月第三土曜日の午後1時より午後3時
(ただし8月と12月は運転されません、
 また運転日時等は都合により変更する場合があります)
◎運転実施場所:日本工業大学 工業技術博物館 常設軌道

工業技術博物館
◎開館時間:午前9:30分から午後4:30分(入館は午後4時まで)
◎入館料:無料
◎住所:埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4-1
◎電話:0480-33-7545

[工業技術博物館URL] http://www2.nit.ac.jp/museum/


■□赤城自然園(群馬県勢多郡)
  「特別開園日」と「四季を感じる会」のお知らせ

現在、全面オープンに向け整備中の赤城自然園では、
特別に設定された開園日のみ入園が可能です。
春の特別開園は4月6日〜5月26日の間の土・日曜日・祝日に開園。
またゴールデン・ウィークは、
4月27日〜5月6日まで連続して開園します。

◆◇四季を感じる会"参加者募集
  春の森の彩りを感じてみませんか 〜晩春の風情の赤城自然園〜

◎日程:2002年5月11日(土) ※雨天決行
◎会場:赤城自然園 
◎募集人数:50名様(定員が20名に満たない場合は中止の場合あり)
◎参加費:4,800円(税込)
(※参加費には新宿からのバス往復代、入園料、お弁当代を含みます)
◎参加条件:赤城自然園の一日をとおして、"あなたの季節感"を
詩、絵、写真、感想文などで表現していただけるかた。
どんなものでも結構です。お気軽にご参加ください。
◎スケジュール
07:50新宿_集合
08:00新宿_バス発
11:00赤城自然園_着(予定)
四季を楽しむ会
(ネイチャー・ガイドなど)
(昼食)  
15:30赤城自然園_バス発
18:00新宿_着
スケジュールは交通渋滞などにより変更する場合がありますので、
ご了承ください。 また希望者には園内をご案内します。
◎申込先
近畿日本ツーリスト(株)
千代田法人旅行支店
電 話:03−3222−3388
FAX:03−3222−3706
◎問い合わせ先
赤城自然園 たなか
所在地:群馬県勢多郡赤城村大字南赤城山字夕日上892
電話:0279−56−5211
[関連URL] http://business1.plala.or.jp/akagi/


−今号の話題−

■□「奄美パーク」にみる観光拠点の可能性(後編)

前号に引き続き「奄美パーク」の展示施設「奄美の郷」について
紹介いたします。

■奄爺(アマジイ)が縁側に座る「遊びの庭」

「総合展示ホール」の出口にある「遊びの庭」コーナーでは、
加計呂麻島(かけろまじま)の
諸鈍(しょどん)という集落にあった昔の民家が移築されています。
自由に座敷へあがることができるこの民家には
昔の遊び道具や大島紬の機織機などが並べられ、
手に取ったり、遊んだり、動かすことができます。

縁側には奄爺(アマジイ)と名づけられたおじいさんの人形が
『まぁ、腰かけて昔話でも聞いていかんかね』という感じで座っています。
おじいさんの隣には「キセルや湯のみが載せてあるお盆」が置かれており、
よく見ると、ここには奄美の昔話をきけるスイッチが仕込まれています。
スイッチを押すといくつかの奄美の昔話を、
標準語もしくは奄美の言葉どちらかを選んで聞くことができます。

おじいさんのまわりには、
昔の奄美の様子が撮影された写真が綴られているアルバムや
鶏飯(けいはん)、油そうめん(あぶらそうめん)と言った
郷土料理の作り方をまとめたレシピなども用意されています。

■奄美のことばミニ講座

奄美では方言のことを島口(シマグチ)と読んでいます。
母音の三音(a.i.u.e.oのeがiに、oがuに変化)が
奄美のことばの特徴と言われていますが、
各島、集落毎にアクセントやイントネーションが異なる場合もあり、
同じ島でも通じにくいことがあったようです。
『むぎわらぼうし』という単語で比較してみると
喜界島 → むんぎゃらはっとう
奄美大島 → むぎわらぶし
徳之島 → むんぎゃらかさ
沖永良部島 → むんぎゃらぼうし
与論島 → むんじゃらぼうし
五つの島全て、違った言い方をしています。

「遊びの庭」には、この奄美のことばに関する展示が用意されています。
「奄美のことばミニ講座」とネーミングされたこの展示は、
奄美群島五つの島(喜界島・奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島)の
言葉の違いについて、パソコンを使って紹介するもので、
「島唄・台風・魚つり・さとうきび・道を尋ねる」という
五つの場面の島口による会話を
アニメーションと音声で進行しています。
画面には標準語による字幕が入りますが、
それを目にしないで、言葉だけ聞いていると
単語すら聞き取ることができないかもしれません。

■観光客がイメージする奄美を展示化

「奄美の郷」の主要なターゲット層は島を訪れる観光客です。
観光客に対して、奄美の自然や歴史・文化をコンパクトに紹介し、
興味や刺激を与えると同時に、
「奄美ファン」になって帰ってもらうことにあります。
ですからこの施設では、博物館のような学術性の高い資料を並べたり、
専門的な情報について提供されません。

展示にしてもコンセプトやストーリー中心の構成というよりは、
サンゴ礁の海、マングローブの森、島唄といった
観光客が奄美をイメージし、興味を持ちそうな要素をまず抽出し、
その要素をグラフィックや造型、装置など
どういった展示手法を用いることが効果的か検討した上で、
ゆるやかに自然や歴史・文化などジャンルを分け構成しているようです。
この場所で提供すべき以上の情報を与えない、
あまり特殊で複雑な装置や手法は用いない、
全体的にみるとシンプルな展示という印象ですが、
来館者が展示を見てみたい、動かしてみたいといった
ツボが押さえられているため、心なしか来館者が展示を見ている時間は、
他の施設より長めに感じました。

■島のビジターセンターとしての役割を担う施設

奄美パークは、空港から島内最大の都市・名瀬や他の観光地に行く場合、
必ずと言って良いほど通過するポイントにあります。
同時に、奄美空港から車で約五分という距離にあることから、
集客的に非常に有利な場所に立地しています。
内容的にも「奄美がどのような場所であるか」
アウトラインを知るには最適な施設と言え、
島全体のビジターセンターとしての役割が期待されています。
この奄美パークに、二点ほど加えていただきたい機能を提案し、
終了したいと思います

ひとつめは、「旅の具体的な行動を手助けしてくれる人の配置」です。
展示で刺激を受けた人が、その場所に行ってみたいと思えば、
目的地までの道順や道路状況などを知りたいと思うでしょうし、
また体験してみたいことがでてくれば、
どこにいったらそれができるかなどの情報を入手したいはずです。
人が集まりやすい場所に、この観光拠点を作ったわけですから、
次は、ここから観光客をどうやって各地にばらしていくか
検討する必要があります。
具体的なアイデアとしては、ホテルのツアーデスクのように
観光客個々のニーズに応じた奄美の情報を提供ができる
人材の配置を含めた仕組みづくりが考えられます。

ふたつめの提案は
「売店に、いま以上奄美の魅力的な商品をそろえる」ことです。
沖縄の食品や工芸、CD・本など購入できる「わしたショップ」では、
現在、札幌・銀座・大阪・福岡にも店を構えています。
銀座にあるショップをよく覗くのですが、
一個あたりの商品単価が割と高いにもかかわらず、
平日の昼間でもかなりの人がレジに並び、
お気に入りの商品を購入していきます。
地域独特の商品だからあまり売れないというイメージは過去のもので、
体に良い、おいしい、美しい、センスが良いなどの
条件をクリアした商品は、多少値がはっても購入されると言うことを、
奄美にも近い沖縄の物産を扱う「わしたショップ」では証明しています。
空港からの距離を考えると、
売店にもっと魅力的な奄美の品物が豊富に揃っていれば、
到着時だけでなく、出発時にも再び
観光客が訪れる可能性が大きいのではないかと思われます。

まだ充分な可能性の余地がある施設ですので、
今後の動きに注目していきたいと思います。


皆さんの「おススメ」情報がありましたらご紹介ください。
info@bunkanken.comまでお送り下さい。
ご紹介した行事等のお問い合わせは各連絡先まで、直接お願いいたします。