<文化環境研究所 News> 第51号
2002.11.15発行

今号の話題は、前回に引き続き
グアムにある太平洋戦争国立歴史公園の紹介です。

−お知らせ−

■□「ふだん見られない川の現象を体験する」
  〜出水中の川の変化・水中の生き物の反応を映像で再現〜
  建設技術フェア2002 IN 中部(ナゴヤドーム)での
  学習エリア「川の学習コーナー」のご案内

♪.吉冨友恭さん(自然共生研究センター)からの情報です。

>河川環境は、多くの要素が複雑に連関し合い、
>それらが変動しながら成り立っています。
>そして、多くの現象は水中を含めた様々な空間スケールで起きているため、
>とても捉えにくいものです。
>河川の特徴的な現象の一つに「出水(しゅっすい)」があります。
>出水には生態系を維持する大切な役割があり、
>環境教育においてこのような現象を理解することは重要ですが、
>現場でその現象を観察するには危険を伴うことや、
>臨場のタイミングを合わせにくいことから、
>実体験は非常に難しくなります。
>
>本フェアでは、川を様々な角度から見た映像を駆使して、
>出水の様子を体験できる展示スペースを出展します。
>ここで使われる映像には、流量をコントロールできる実験河川を持つ、
>自然共生研究センターで記録されたものを用いています。
>高所、水面、水中から出水状況を捉えた映像は、
>ほとんどの人が初めて目にするものだと思います。
>
>展示スペースに設置されている出水レバーを引く見学者の動作によって、
>壁面に写し出されるゲートの映像が変化し出水が始まります。
>床面のプラズマディスプレイには川の特徴的な3つの空間、
>「蛇行部」、「氾濫原」、「ワンド」の高所からの映像が写し出され、
>流量の変動(平常時→増水時→ピーク時→減少時)に対応した
>実際の映像が提供されます。
>それらに連動し、横に並べられた液晶ディスプレイ、PDAから、
>水面、水中の変化、生物の反応等を記録した映像が提供されます。
>また、映像と対応した実際の流速・水深のデータも表示されます。
>
>このような展示の実現は初めてで?に学校関係者の関心が高く、
>期間中には名古屋の小学生1500人が展示を体験する予定です。
>「川の学習コーナー」には、他にも、
>河川の構造物や植生のミニチュアを使って水の流れの性質を実感する
>「蛇行・直線水路模型」、
>名古屋近郊の河川に生息する「淡水魚類の飼育展示」が用意されます。
>河川に関する博物館や水族館関係者、
>総合学習における河川の現場体験と動画コンテンツの活用について
>お考えの方々には、是非ご来場頂ければと思います。

学習エリア「川の学習コーナー」
企画立案・監修:独立行政法人土木研究所自然共生研究センター
(担当:吉冨友恭 TEL0586-89-6036)
制作:国土交通省中部地方整備局中部技術事務所

展示場所:建設技術フェア2002in中部
開催場所:ナゴヤドーム 名古屋市東区大幸南1−1−1
地図はこちら → http://www.cbr.mlit.go.jp/chugi/html/fair2002/3.jpg
展示日時:11月27日(水)10時−19時
       28日(木)10時−16時
入場無料

>「建設技術フェア 2002 in 中部」では学習エリアの他にも、
>「安全・安心のための建設技術」、「環境のための建設技術」、
>「ゆとりと福祉のための建設技術」、
>「コスト縮減・生産性向上のための建設技術」、
>「公共工事の品質確保・向上のための建設技術」の5つのテーマから
>集まった192出展者、370を超える新技術・新工法を展示・実演します。

建設技術フェア 2002 in 中部お問い合せ先
建設技術フェア2002 IN 中部実行委員会事務局
(国土交通省中部技術事務所内)TEL052-723-5705
[関連URL] http://www.cbr.mlit.go.jp/chugi/html/fair2002_02.htm


■□第2回JMMA特別事業のお知らせ
   〜FORUM〜ミュージアム・コミュニケーション

♪.日本ミュージアム・マネージメント学会からの情報です。

1.趣 旨
ミュージアムの今日的課題である
「博物館教育」「地域連携」「利用者研究」等を考える際、
「コミュニケーション」は重要なキーコンセプトである。
今後のミュージアムの在り方を
学際的に考える新しい学問分野の基礎理論を構築するため、
博物館の中や社会とのかかわり等のさまざまな視点から
「ミュージアム・コミュニケーション」を検証・議論し、
わが国の博物館研究と運営向上に資することとする。

2.対 象
博物館学及び博物館運営論を研究するもの
(研究者、学生、博物館関係者、日本ミュージアム・マネージメント学会員等) 
定員120名(定員になり次第締め切り)

3.期 日
平成14年12月8日(日) 9:30〜17:30

4.会 場
学術総合センター(千代田区一ツ橋2丁目1番2号、Tel. 03-4212-6321)

5.参加費  
2000円(コーヒー代・当日配布資料代、報告書代含む、但し懇親会費別途)

6.日程と内容 9:30〜 受付
10:00〜 開会・プログラム案内・本フォーラムのねらい・
会長挨拶・講師紹介など
10:15〜 基調講演:英国レスター大学Eilean Hooper-GreenHill 教授
「ヨーロッパにおけるミュージアム・コミュニケーションの現状」
11:50〜フォーラム1: 
博物館の文法 「学芸員の使命を考える模擬討論」(寸劇仕立て)
昼 食 ・ 休 憩
13:30〜フォーラム2:「21世紀の博物館をどう創り・運営するか」
発表者:大月 ヒロ子 氏(イデア代表)
    菊池 眞太郎 氏(前浦安市立郷土博物館長)
    山田 英徳 氏(科学技術振興事業団理事)
フォーラム3:「交流としてのコミュニケーション」
発表者:石垣 忍 氏(林原自然科学博物館副館長)
    河野 哲郎 氏(国立東京博物館)
    中村 隆 氏(科学技術館)
    村井 良子 氏(プランニングラボ代表)
フォーラム4:「サイエンス・コミュニケーション」
発表者:川人 順子 氏(科学技術館)
    小泉 成史 氏(テレビ朝日コメンテーター)
    鳩貝 太郎 氏(国立教育政策研究所)
    本多 ささわ 氏(国際イルカ・クジラ教育リサーチセンター)
16:30〜提言:「我が国のミュージアムとコミュニケーション」
講師:逢坂 恵理子氏 (水戸芸術館) 
○まとめ:各フォーラムからの報告とまとめ(事務局 高安礼士)
18:30〜 懇親会
テーマ: 
主催 日本ミュージアム・マネージメント学会
共催 文化環境研究所
協力 東京大学大学院教育学研究科社会教育学研究室
申し込み先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-6-4   TEL・FAX 03-3455-1505
日本ミュージアム・マネージメント学会「特別事業」係
※上記内容は、講師等の都合により一部変更させて頂くこともございます。


■□施設運営などに関わる人のための展示企画セミナー(岐阜県川島町)

♪.神藤淳弘さん(自然発見館)からの情報です。

>環境教育施設での解説板やサイン等の展示に必要な要素や
>メッセージを伝えるのに効果的な表現方法を学びます。

【日 時】2002年11月25日(月)〜26日(火) 日帰り2日間
【場 所】河川環境楽園 自然発見館
【参加費】8,000円(2日間)
【対 象】環境教育施設の展示作成に関わる方、博物館の展示に興味
     のある方(高校生以上)
【定 員】30名
【講 師】小河原孝生(NPO法人 生態教育センター理事長、生態計画
           研究所所長、(社)日本環境教育常務理事)
【ゲスト】吉冨 友恭(独立行政法人 土木研究所研究員)
【主 催】自然発見館
【後 援】岐阜県教育委員会、愛知県教育委員会
【申込み・問合せ】
  ハガキ、FAX、メールのいずれかにより、以下の1〜9の事項を
  ご記入の上、お申し込み下さい。
 [記入事項]
  1.希望の講座の日時/2.氏名(ふりがな)/3.郵便番号と
  住所/4.電話番号とFAX番号/5.性別/6.年齢/7.職業
  8.この講座を何で知ったか/9.参加動機
 [申込先]
  〒501-6021 岐阜県羽島郡川島町笠田 河川環境楽園自然発見館
  TEL 058689-7022/ FAX 058689-7021
  e-mail: shidoin@hakkenkan.go.jp


■□ライフスタイル見なおしフォーラム(東京・新宿)

♪.森高一さん(EPM)からの情報です。

>11月23日(土・祝)に
>「ライフスタイル見なおしフォーラム」の分科会の1つとして、
>山岳とエコツーリズムをテーマに、アジアの環境映像を見てトークする、
>こんなイベントを開催します。ぜひご参加、ご紹介ください。

2002年は国連が提唱する国際山岳年と国際エコツーリズム年です。
日本では7月に北海道でシンポジウムが、
11月末に沖縄でエコツーリズム国際大会が予定されています。

今回のイベントは、EARTH VISION地球環境映像祭から
テーマに沿ったアジアの作品2本を上映、お二人のゲストからのトークと、
開場とのディスカッションも予定しています。
特に映像は、普段あまり取り上げられないアジアの貴重な作品です。
この機会にぜひご覧ください。
入場は無料です。

開催日:2002年11月23日(土・祝)13:30 〜 16:30(13:00開場)
会 場:新宿パークタワー16階 101会議室
   (地図は http://www.shinjukuparktower.com
主 催:アースビジョン組織委員会、東京ガス(株)
協 力:国際山岳年日本委員会、日本エコツーリズム協会
参加費:無料 定員200名

ゲスト:
江本嘉伸氏(国際山岳年日本委員会事務局長、「地平線会議」代表世話人)
小林天心氏(日本エコツーリズム協会事務局長、
ニュージーランド政府観光局日本局長)
作品紹介:(くわしくはアースビジョンのホームページを)

■「踊りの記憶」(フィリピン/52分)
EARTH VISION 第10回地球環境映像祭入賞作品
海とともにまた山とともに生きてきたフィリピン・パラワン島、ルソン島、
ミンダナオ島の先住民の姿を、美しい映像とともに描きます。
かつては植民地として支配され、現在は開発という別の脅威がせまっている。
彼らは、自分たちの文化とそれを支えている環境を
どう守っていこうとするのか、
日本人にとってとても考えさせられる作品です。

■「飽食の行方」(香港/21分)
EARTH VISION 第8回地球環境映像祭入賞作品
香港では、毎日2,000トンもの食べ残しが
ゴミとして捨てられている現実がある。
機内食でも残飯を出してきたキャセイパシフィック航空は、
香港中の残飯を集め、動物の飼料にしようという取り組みをはじめた。
そのプロジェクトがいかに実現されていったか、
人々の反応はどうだったかをドキュメントで追った作品です。

◆ ライフスタイル見なおしフォーラムとは
ライフスタイル見なおしフォーラムは、環境活動を行っているNGO、
消費者団体、労働組合、企業、行政機関が横断的に連携し、
2000年から始まったフォーラムです。
毎年11月から12月に東京を会場にシンポジウムや分科会、
展示会を実施してきました。
今年は11月23日〜25日の日程で、
新宿パークタワーと都庁大会議室を会場に開催します。
43もの参加団体で構成する実行委員会と環境省、東京都が主催し、
内閣府、外務省、文部科学省、経済産業省、国土交通省、関連する自治体、
各都道府県の温暖化防止活動推進センター、
日本青年会議所等多くの組織が後援しています。

◆お問い合わせは
アース・ビジョン事務局 (担当:浅岡)
〒106-0041 東京都港区麻布台1-9-7飯倉ビル3階
(財)地球・人間環境フォーラム内
TEL: 03-3585-8957 FAX: 03-3585-8959 
E-mail earth-vision@webfront.ne.jp
http://www.webfront.ne.jp/ ̄earth-vision/


■□文化環境研究所ジャーナルが更新されました。

文化環境研究所ジャーナルが更新されました。
よろしければご一読ください。
(次回は12月5日ごろの更新の予定です。)
http://db.bunkanken.com/journal/journal.php3

[掲載記事]
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1.石垣島の海から環境教育を考える
 〜環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターの普及啓発活動〜
 /高橋啓介
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  サンゴ礁の海とふれあい、自然を好きになってほしい。
  そこからこの海をどうしたら守れるか考えてほしい。
  沖縄石垣島にある
  環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターにおける
  普及啓発活動の紹介です。

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2.異文化に暮らす子どもたち(その4)−テロ事件と子どもたち−
 /栗原祐司
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  米国同時多発テロ事件が
  ニューヨークに暮らす子どもたちに与えた影響について、
  子どもたちの声をもとに紹介します。

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3.シンプルは素敵!?/鎌田裕一郎
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  最近登場するデジタル機器や、街の店頭を飾る様々なものが、
  とてもシンプルになってきた。
  何でもありの“機能インフレ”がやっと終わる光明かもしれない。
  まだまだ過剰さが目立つ現在に、シンプルについて考えてみた。

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4.新世界アーツパーク事業
 〜大阪市設置の既存空間でアーツNPO法人が新しく船出する〜
 /小暮宣雄
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  空き店舗を再利用したアート空間の企画運営を、
  現場で活躍する人たちが立ち上げたNPOが担当し、
  家賃は行政が負担する方式で実施している
  大阪市の「新世界アーツパーク事業」。キーワードは公設民営です。

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5.ミュージアム・マネジメントのもうひとつの地平
 ―メーカーのショールーム計画に相乗りしたミュージアム―
 /高橋信裕
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  企業の技術開発力と博物館の資源、
  人材の連携融合がもたらした新たなミュージアムモデルの誕生


−今号の話題−

■□日本から一番近い、アメリカの国立公園
  −太平洋戦争国立歴史公園− (中編)

前号に引き続き、グアムにある太平洋戦争国立歴史公園を紹介します。

■ビジターセンター T.Stell Newman Visitor Center

公園管理事務所が併設されているビジターセンター(以下、VC)は、
米軍上陸地点のひとつであるアサンビーチ地区に位置します。
展示室に入ると、まず目を引くのは、
太平洋戦争における顕著な出来事について理解を促すため、
時間軸で追っていくグラフィックです。
その周辺に、統治下の島民の暮らしと
米軍による奪還にまつわる実物資料や模型などが展示されています。

学校団体で訪れる子供たちが多く、
展示室の一角では、子どもたちに太平洋戦争戦争に関して、
更なる興味と学習機会を提供するため、
ハンズオンを用いた展示が設置されています。

VCはホテルが立ち並ぶタモン地区から少し離れているため、
大半のビジターはツアーバス等を使い、団体で見学します。
(ホームページによると2001年度の公園への来園者は、
およそ15万人です。)

アメリカ国立公園ではVCのインフォメーション・カウンターが、
各公園の顔と言われています。
このカウンター近くには映像室が用意されており、
来館者に対して、30分の映像によるプレゼンテーションを行います。

■効果的な映像によるプレゼンテーション

映像は、グアムの置かれた歴史的な背景から、
旧日本軍による侵攻と統治、米軍による解放までの出来事について
写真や8ミリフィルムなど、当時の様子が記録された素材と
戦闘に参加していた元軍人、住民による語りで構成されています。

「戦争」は非常に扱いの難しいテーマですが、
この映像では、冷静かつ客観的に、
さらに特定の人々に悪意を抱かず、
関係した全ての人々に尊敬の念を持って
製作していることが滲み出ています。
ですから加害者の末裔が見て、
居た堪れなくなるようなつくりではありません。

導入の映像が30分と聞くと、
「ずいぶん長いな」といった印象を抱くのですが、
見終わった感想としては、
非常にシンプルなつくりであること、
口語による関係者の証言が有効に活用されていることから、
時間の長さは、まったく気になりませんでした。

VCの展示を見る前はもちろん、
公園内にある各ユニットを見学する際の
動機付けにも効果的と言えるでしょう。

数々のドキュメンタリーの賞に輝いたこの作品は、
英語以外の言語、日本語・中国語・韓国語にも対応しており、
レンジャーが訪れたビジターの顔振りを見て、
使用する言語を決定します。

■Asan Beach Unit

米軍北側の上陸地点にあたるAsan Beach Unitは、
米第3海兵師団と旧日本軍の独歩第320大隊が交戦した激戦地です。

このユニットでは、グアム解放50周年の際、
犠牲者を追悼してアサン岬に建てられた
記念碑「リベレーターズ・メモリアル」や
アサンリッジと呼ばれる小さな岬に残る
旧日本軍の防衛設備などを
見学できる遊歩道とサインを整備しています。

サインは英語・チャモロ語・日本語により解説が施されており、
主要な戦跡には必ず設置されています。

また沖合の海底には、米軍軍需品の破片などが残されています。
この場所はスキューバダイビングのポイントでもあることから、
ダイバーがもし、武器や爆弾を見つけたら、
危険なので触れたり、動かしたり、しないよう呼びかけています。

前述したVCも、このAsan Beach Unitの中にあります。


皆さんの「おススメ」情報がありましたらご紹介ください。
info@bunkanken.comまでお送り下さい。
ご紹介した行事等のお問い合わせは各連絡先まで、直接お願いいたします。