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| ■評価システムを根づかせる仕組みづくり |
| 1. 評価しながらデザインや制作ができる仕組みをつくる マクラーレン氏がシンポジウム中、自分の関与する「展示開発における設計および制作途中段階」の現場をスライドで紹介した。スクリーンに映し出された光景は、現場にて塗装仕上を施す前の造作に実物大のグラフィックの試作品を設え、来館者に効果測定をおこなっているもので、欧米では博物館が自前デザイナーを抱えているからこそでき得る作業と説明した。 現在日本の博物館が自館でデザイナーを抱えている例としては、高知県立牧野植物園において民間の展示開発企業で展示設計に携わっていた人間を学芸職員として採用した事例がある以外非常に少ない。(『月刊ミュゼ』第40号 2000年,8頁)将来的には国内でも我々の仲間が各地に分散し、プロジェクト毎個々の博物館と契約を結ぶという時代がいずれはやって来るであろうが、それまで評価システム根づかせるためには、発注者と展示開発企業がその仕組みづくりを一緒に考えていかなければならない。 日本では近年、設計を担当した展示開発企業は制作に関われないといった行政の発注形態も見られる。展示は建築や内装と異なり「見えない情報を形にする」メディアである。そのためデザインと制作が同時進行であり、一概に設計・施工と割りきれないのである。ワークショップで紹介された展示評価を用いた展示開発を日本にも根づかせるのであれば、設計・施工といった発注形態以外の博物館づくりのプロセスに即した委託方法を真剣に検討して行く必要がある。そのためには展示開発企業側には更なる博物館づくりのプロセスなど博物館づくりに関わるデータを広く公開することが要求される。 2. 情報解説をおこなえるスキルを身につける 「展示開発における設計および制作途中段階」は「情報解説」に重きを置いた評価手法である。ワークショップではミュージアムの展示開発に携わる人々は評価手法を学ぶのと同時に、情報解説をおこなえるスキルを身につける重要性を説いていた。確かにこのスキルが足りないがため、校了後パネルとして設置された時初めて文章の食違いを発見し、グラフィックの修正がおこなわれる事例は多々ある。 解説計画のスキルをあげるためには、ワークショップ時に説明があった「ゴールとオブジェクティブ」を活用した解説計画が有効である。「ゴール(Goal)とオブジェクティブ(Objective)」、日本語では「目標とねらい」と訳すのだろうか。この「目標とねらい」を明確して情報解説を計画する訓練は、ミュージアム・ツアーのような人を介する情報解説にも活用可能である。アメリカ国立公園局におけるインタープリターの養成でも、この「ゴールとオブジェクティブ」は重視されており、これに「テーマ」を付け加えた形で、専門の職員によって日々トレーニングがおこなわれている。 |
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