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| 新水族館事情 津田雅人(文化環境研究所・代表) |
人と異なる生息域に生きる魚類や海獣類を一枚のガラスを通して目の前に見ることを実現した水族館は、19世紀の人々が初めて小さな水槽に海洋生物の飼育を実現したときと同じように、今でも、私たちに生命の不思議とその多様性を教え、生物進化の悠久な歴史に想いをはせる異次元の体験を味わわせてる。水族館は「観る」ことの楽しみが「学習」と結びつく希有な施設である。 近年では、めざましい設備技術の進歩と高度な飼育技術の獲得によって、多量の水槽や大型回遊魚の飼育を可能とした水槽の大型化が進み、ますます圧倒的な迫力をもって、海洋の未知なる世界を観衆の現前に展覧している。その観光的側面から地域の期待は大きい。 しかし、このところ水族館の来館者数は減少傾向にある。他の文化施設の中にあって、いままでさしもの集客性を誇っていた水族館も大型テーマパークの進出に客を奪われているという。一方、それにもかかわらず水族館自体の新設・改築の動きも各地にみることができる。陰りがでてきたといっても、まだまだその集客性は地域振興のシンボルとして期待されているのか、はたまた、21世紀の新時代を生きる人々にとって新たな理念や価値を見いだすことができるのか。今回は新しい時代の新しい水族館の事情をさぐってみた。 |