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現在、日本には一七〇ほどの動物園・水族館がある。その数は、一九六〇年代後半と八〇年代後半に大きな増加をみた。特に水族館は、いわゆる「ウォーターフロント」開発の活性化を契機として、新たな世紀に入った今もなお、大規模なリニューアルや新規開館が相次いでいる。 一方で、動物園や水族館(以下「園館」と略す)への有料入場者数は、一部に例外はあるものの、最近数年来減少傾向に歯止めがかからない。この統計的な事実は、一般に「園館の吸引力が絶対的にも相対的にも低下したから」だと解釈されている。 例えば、東京ディズニーランドに近い葛西臨海水族園に対しては、経営主体である東京都の行政サイドから「ディズニーランドに見習ってもっと集客力を向上させよ」といった批判があるという。また、秋田県では、既存の県立男鹿水族館を閉館して、従来とは異なる部局が全く独自に(蓄積されたこれまでの飼育技術などを一切無視して)大規模な新水族館建設を進めようとしている。 確かに、アミューズメント性を重視する限り、八〇年代から始まった巨大レジャーランドの開業ラッシュは「園館の相対的集客力を低下させた」といえる。これまで近くの園館に通っていた家族連れが、高価な入園料を支払い、しかも何回も巨大遊戯施設に足を運ぶようになったのだから、園館へのリピーターが目に見えて減るのはあたり前だ。 しかも、子どもの数の減少や核家族化の進展などを考えると、これからもしばらくの間は、残念ながら「園館の受難時代」は続くと思われる。また、園館のトップに小手先の集客ばかり考えて、動物展示施設の設立理念や基本的活動方針に関する意識改革を一顧だにしない人材が登用され続けるならば、長期的に見て「動物展示施設の将来は暗い」というほかはない。 |
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