関西ミュージアム・メッセ2000/交流事業
ミュージアム研究フォーラム
2000年5月24日から27日にかけて開催された「関西ミュージアム・メッセ2000」の交流事業プログラムとして、5月24日「ミュージアム研究フォーラム」が開催された。定員100名のところ120名の聴講者が参加し、急遽座席を追加する盛況ぶりであった。客席には博物館関係者のみならず、視覚障害を持つ方や、高齢者を含む一般聴講者の熱心に講義を聞いている姿が見受けられた。
■主催/文化環境研究所
■後援/日本ミュージアム・マネージメント学会
■日時/2000年5月24日
■会場/大阪国際会議場(グランキューブ大阪)
■プログラム
【午前の部】
テーマ 『ユニバーサル・ミュージアムの現状と課題』
発表者 ●奥野花代子(神奈川県立生命の星・地球博物館専門学芸員) 「優しい博物館のあり方をめざして」
    ●山本哲也(東京家政大学講師)「ユニバーサル・ミュージアムの理念とバリアフリー施策」

【午後の部】
テーマ 『ミュージアムにおける経営と評価』
発表者 ●井上重義(日本玩具博物館館長)「ミュージアムの経営現場とその実際」
    ●佐々木亨(北海道大学助教授)「ミュージアムにおける経営と評価」

このページは山本哲也・井上重義・佐々木亨、三氏の講演禄を掲載したものである。なお奥野花代子氏の講演禄はスライドを多く用いていた関係上、テキストのみで公開することが難しく、ご本人の希望にもより掲載していない。

「ユニバーサル・ミュージアムの理念とバリアフリー施策」
・・・山本哲也 東京家政大学講師

私はバリアフリーにこだわっております。要はユニバーサル・デザインとバリアフリーの両方をその場その場できちんと使い分けることが大事でしょう。
山本哲也さんはユニバーサル・デザインとバリアフリーは対等な立場であり、逆にバリアフリーで考えなければ解決しないことが多いと言う。ユニバーサル・デザインという理念を積極的に取り入れつつ自分の理想を高く掲げ、実践している。

「ミュージアムの経営現場とその実際」
・・・井上重義 日本玩具博物館館長

「独立採算でよく博物館経営をやっていけますね」と言われるのですが、職員に「節約」といった言葉をいうこともなく、自然体で現在に至っております。苦しい思いはありません。博物館としては成功したと言っていただけるようになったと思います。
「個人経営である身軽さ」が日本玩具博物館を成功に導いたと井上重義さんは考えている。大きい組織では意思決定が遅く、いくら良いことでもなかなか実行に移せない現実がある。そんな現状を逆手にとって、小さいながらも的確に流れをとらえて、ユニークな活動をしてきた井上さんには、今博物館が求められている「柔軟性」を学ぶことになった。

「ミュージアムの公共性と市民社会における評価のあり方」
・・・佐々木亨 北海道大学助教授

良い事例をとにかく作る。どの評価手法でも構いませんから、そうしたものを作ってどんどん公開していくことが、評価活動が多くの博物館で導入されるひとつの大きな要因になるのではないかと思います。
博物館評価の活動やその手法は多様であるべきで、「前向きな方向に歩むためにやっていて、重箱の隅をつつくのが目的ではない」と佐々木亨さんは言う。「明るく、フランクに行うことが大事」机上でなく実際現場で多くの場数を踏んでいる自信を感じさせた。