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2. Formative Evaluation (形成的評価/制作途中評価)

  出来あがった展示の効果を測定するだけでなく、展示の開発段階から、展示案に対する利用者のフィードバックを得ながら展示を制作していけば、より効果的な展示がつくれるのではないかと考えるのは、当然のなりゆきであろう。Summative evaluationが展示室に展示を設置した後で行われるのに対して、このFormative evaluationは、展示の制作の途中で行うもので、安価な素材でつくった展示の試作品(モック・アップ)を用いて、利用者の反応を調べる。1976年に、Screvenが、展示開発にFormative evaluationの方法を導入し、Summative evaluationと区別をした。
  Formative evaluationは、特に利用者の身体的操作を伴うような体験型の展示に効果的で、利用者がどのように展示を操作するのか、実際に調べながら制作をすすめることによって、出来あがった後に、操作の方法がわかりにくかったり、使い勝手が悪いといった失敗を防ぐことができる。解説文やグラフィックなども、おおまかな案が出来たら、紙などの安価な素材で利用者に提示し、利用者が読むのに苦労しないかどうか、用語は適切かどうかなどの反応をみながら、最終案をつくっていく。  Summative evaluationが、多くのサンプルによる厳密さを求められる調査であるのに対して、Formative evaluationはもっと小規模なものでも十分である。例えば、解説文の案を10人に読んでもらって、10人が皆ある言葉を理解できなかったとしたら、それ以上の調査を行わなくとも、他の言葉でいいかえる工夫をする必要があることが分かる。このように、小規模であっても、調査の結果、改善の必要が明らかになれば、まずは展示案に修正を加え、それをまた利用者に提示して反応を調べ、さらに改善が必要かどうか判断する。最初のうちは、こうした小規模な調査の積み重ねが重要であって、展示案が煮詰まって最終案に近づいたら、サンプル数を増やして調査を行えばよい。  Formative evaluationでは、観察法と面接法が一般的である。利用者が展示の試作品を利用しているところを観察したり、利用後にインタビューを行ったりする。調査する項目としては、主に次の5つがある。(註7)

1.....引きつける力(Attracting Power)
展示を媒介にメッセージを伝えようとするのであれば、まずは展示が利用者の注意を引きつけることが重要である。利用者が展示を見ないことには、メッセージの伝えようがない。評価の対象となっている展示(装置)が、利用者の注意を引く力を持っているかどうかを調査する。

2.....保持する力(Holding power)
展示が利用者の注意を引いたからといって、利用者が展示をじっくり見るとはかぎらない。科学館などの展示で、子どもが次から次へと展示装置のボタンを押してまわる姿を見たことがあるかと思うが、これは、展示が「引き付ける力」はもっているが「保持する力」がない例といえる。

3.....説明する力(Procedural power)

特に体験型の展示で、利用者が何かしらの操作をする場合、その方法が利用者に分かりやすいかどうかは重要である。興味をもって展示に近づいてはみたものの、ボタンを押すのか、そのボタンはどこにあるのか等、その展示をどのように利用したらよいか分からない場合もあろう。利用者に展示の使い方が適切に伝わっているかどうかも、メッセージを伝える上で重要な点である。

4.....伝達する力(Communication power)
展示には伝えたいメッセージがある。展示を利用した人がそのメッセージを受け取ったかどうかを調べるものである。

5.....感情的な力(Affective power)
展示が面白かったか、面白くなかったか、あるいは、その展示が好きか嫌いか、また、展示を利用した結果、利用者の感情に影響があったかどうかを調べる。


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