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4. Remedial Evaluation (修正的評価)

  最初に挙げたSummative evaluationと同様に、展示の設置後に行われる評価である。Summative evaluation が、直接的に展示の修正を目的としていないのに比べ、このRemedial evaluationは、現状の展示を修正することが目的である。研究者によっては、これをSummative evaluationに含めて考える者もいるし、修正のためにモック・アップによる試行を行うこともあることから、Formative evaluationとして扱う者もいる。いまだ定着した呼び名ではないが、設置後の修正という目的から、前述の3種とは別に考えることもあるので、ここでは独立して取り上げた。Remedialという言葉は、1990年頃から使われている。  展示の設置後に評価を行い、問題点が明らかになったら、それを修正すべく、モックアップを用いた試行を行い、利用者の反応をふまえながら修正案を決定していく。これがRemedial evaluationである。モックアップを用いる点では、Formative evaluationと似通っているが、両者の違いを言うならば、Remedial evaluationの場合は、実際の展示空間の中での試行が可能になる点である。Formative evaluationの段階では、モックアップをつくるとはいっても、展示空間全体をつくりだすことは不可能で、どうしても、解説文や、体験型の展示装置など、展示要素の一部分を取り出して試行することになる。試行を重ねて各々の要素を制作したとしても、それが展示室という空間全体のなかでどのように作用するかは未知な部分も多いのである。  出来あがった展示を修正するのは費用もかかり、なかなか容易ではない。出来あがった展示について評価を行い、その修正を実現させるためには、当初からそのための予算を確保しておくことも必要である。


■展示開発のプロセスと展示評価
 以上、その発生順に展示評価の種類を見てきた。出来あがった展示の効果を測定することから始まった展示評価が、次第に制作過程や企画の初期の段階でも行われるようになり、展示開発の一部へと組み込まれていったのは、展示を介した利用者とのコミュニケーションを成立させ、利用者の展示体験をよりよいものにしようとの努力の現れといえるだろう。前述した展示評価を、展示開発のプロセスとの関係で示すと右のチャート(註11)のようになる。また、4種類の展示評価を一覧にして比較したのが下の表(註12)である 。

front-end evaluation formative evaluation summative evaluation remedial evaluation
調



●利用者の関心・興味  理解の度合いを調べ、企画のためのネタ探しやフックをさがすこと
●企画側の情報収集

●展示のメッセージを伝えるのに  適切な手法か検証し、改善すること (効果のないものに無駄なお金を使わずにすむ) ●設定した目的が達成されて いるかを検証し、将来の展示開発に生かす ●設定した目的が達成されて いるかを検証し、改善のために 適切な手法を検証する
調


●展示テーマ
●展示項目
●展示資料
●教材
●解説レベルなど
●模型
●解説ラベル
●グラフィックなど
●総体としての展示
●利用者の関心や経験
●展示効果
●動線
●学習効果
●満足度など
総体としての展示のなかで
●模型
●解説ラベル
●グラフィックなど






●評価と考えずに初期段階の  情報収集と考えよう!
●自分のプランが利用者から 「評価」されるのでない
●自分の企画をよいものに  するための方法と考えて調査結果を有効に活用しよう!
●設置まで継続的に実施
●改善につぐ改善
●サンプル数を多くとり、定量的な分析を行うこと
●総体として調査する
●総体のなかで調査する
●改善につぐ改善
利用者に対する姿勢: 一緒に考えよう! 一緒につくろう! みんなの展示だもの!
利用者に理解を仰ぎ、協力を求め、どんどん提案してもらおう!
あなたも展示開発チームの一員です!
       
調


●調査票によるアンケート
●個別インタビュー
●フォーカスグループ  (グループインタビュー)
●インタ-ネットによるアンケート
●観察法
●調査票によるアンケート
●個別インタビュー

◎まず効果測定のための基準 ・目標を定めよう
●観察法
●調査票によるアンケート
●個別インタビュー
●グループインタビュー
●専門家による批評
●観察法
●調査票によるアンケート
●個別インタビュー





●まずは展示目的の設定、メッセージの設定から始めよう

●キーワードを整理しよう
●その興味や理解の度合いを聞こう
・すぐに思い浮かぶものは?
・何が好きか? その理由は?
・どんな体験があるか?

●考えている展示トピックスを列記  して関心度をチェックしてもらう  

●試験だと思わせるような設問はだめ
●自由回答式、枠にとらわれずに 回答者が話したいことを聞きだそう(open-ended)
●回答者が答えやすいように  写真や図解なども用意しよう
●5つのパワー  効果的に作用しているかを検証 しよう
・注意を引いているか
・留めているか
・使い方は
・メッセージは
・好きか

●利用者からの提案も聞こう

◎利用者の声だけでなく、観察も大切
●メッセージが伝わっているかを  確認するための設問づくり
・いくつか列記し、選択してもらう
・展示を見て感じたこと、知ったことは何かを自由に書いてもらう
(→集計時に分類が必要になる)

●集計しやすいように選択式がよい
●基本属性も大事。きちんと聞こう

●意図していない効果や経験も ありうるので自由記述も必要
●どの展示が好きか、使いやすいか分かりやすいかなども5段階評価 などで聞きだそう
●メッセージが伝わっているかを  確認するための設問づくり

●5つのパワー
効果的に作用しているかを検証しよう
・注意を引いているか
・留めているか
・使い方は
・メッセージは
・好きか
◆4種類の展示評価◆ (c)プランニングラボ 2000.6.12
展示開発のプロセス(註11)


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