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| ■展示評価に関わるその他の調査研究 |
| ここでは、前述の4種類の展示評価と関連する調査、研究を概観する。いずれも、展示評価を実施したり、展示評価の結果 を展示開発に活かしていく上で重要なものといえる。 |
| 1. | 利用者調査 |
| 年令、居住地、来館回数、利用形態(個人、家族などの小グループ、学校などの大グループ)など、博物館にはさまざまな人々がやってくる上、それぞれに固有のニーズもある。利用者調査とは、誰がやってきていて、誰がやってきていないのか、自館の利用者層を知るための調査である。もし、常設展示についてSummative
evaluationをしようとするのであれば、そのサンプルは、博物館の利用者層を代表するものでなければならない。利用者調査は、展示評価の際にどのようなサンプルをとるかを決定する基礎ともなる調査で、展示評価のためには重要かつ必要な調査である。利用者層を把握していれば、フォーカスグループをつくるにあたっても、誰の意見を聞くべきなのかを判断することも容易である。また、博物館を利用していない人々の特徴が明らかになっていれば、そうした人々を集めてフォーカスグループをつくり意見を聞き、彼らを対象とした展示やプログラムを企画して、博物館の利用者を拡大することもできる。このように、利用者調査は、博物館の展示評価の基礎となるとともに、博物館の今後の事業展開にも示唆を与えてくれるものである。 質問紙による大規模な調査が主であるが、博物館に対して期待することなどを、個別 やグループインタビューによって調査することもある。利用者の傾向というのは、月日とともに変化するものである。利用者調査は継続的に行って、常に最新の状況を把握しておく必要がある。 |
| 2. | 利用者に関するリサーチ |
| 評価の結果、人気がなかったり、利用されていない展示が明らかになったならば、それをどうやったら改善できるのかを考えていくことが、展示開発者の仕事であり、創造性が求められるところである。しかし、展示評価は、展示に対する利用者の反応を示してはくれるが、どこを、どのように改善したらよいかまでは示してはくれない。 展示評価の関心が、現実に目の前にある展示をいかにして良くしていくかにあるのに対して、人々の展示利用について、より一般 化した原理を追求する研究も盛んに行われている。こうしたリサーチは、効果 的な展示のあり方について示唆を与えてくれると思われる。例えば、家族連れが何を求めて博物館にやって来て、館内でどんな行動をしているのか、また、子どもが展示を介して学ぶのはどのような状況のときか、などの情報を提供してくれる。これらのリサーチは、展示評価と似たような手法で情報を収集するが、より大きなサンプルサイズで、より厳密な調査が行われる。評価がある特定の展示に関するものであるのに対して、より広い範囲で応用可能な原則を導き出す。先に挙げた例で言えば、侵略という行為に対して、人々がどのような感情を抱くかを調査するのが評価であるとすれば、過去の出来事に関する展示に人々が関心を抱くのはどのような時か(同じような状況だったら自分はどのように感じただろうか、とか、現在の自分の状況に照らし合わせてみるなど、自分と同一視したり、感情移入する場合など)を明らかにしようとするのがリサーチである。 適切な展示評価を行うために、または、展示評価の結果を改善案に活用していくためには、エバリュエーター、及び、展示開発にあたる者たちが、利用者に関するリサーチの結果 にも精通している必要があるだろう。評価とリサーチは、よい展示をつくっていくためには欠かせない両輪といえる。 |
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