| 前述した琵琶湖博物館でのワークショップに参加した当館の学芸員が、自らが担当する今秋の企画展「戦後松戸の生活革新」を評価のプロセスを組み込みながらやってみようと始めたものである。評価のための予算は特についていないが、担当学芸員1名と非常勤職員2名が中心になってプロジェクトチームをつくり、そこに江戸東京博物館の学芸員や、そこで調査実務を行った経験者などがボランティアとして加わり、実験的に評価をはじめている。担当学芸員だけでなく、松戸市立博物館としても評価を組み込んだ展示開発には期待をもっているようで、プロジェクトチームの第一回の会合では、館長以下、他の学芸員も参加して、その後の調査の方向性を確認した。
今回実施しようとしているものは、Front-end evaluationで、特に、企画展示のうち、「常盤平団地の誕生」というコーナーを中心に評価を行う。常盤平団地に対して人々がどのようなイメージを抱いているか、当時の生活についてどのようなことを覚えているか、どのようなことに興味があるかを尋ねたり、展示で扱おうとしているトピックについて利用者の関心の度合いを調べた上で、展示の企画に活かしていく予定である。調査にあたっては、質問紙法や面
接法を用いるが、調査方法のひとつとして、常設展示を用いながらの評価を計画しているのが特徴的である。松戸市立博物館では、常設展示の最後の部分で常盤平団地の一室を再現している。現在は、団地のベランダから室内を見るという展示になっているが、利用者がどのような資料に興味をもつかを調べるために、利用者に常設展示を見てもらいながら、どれに最も興味をもつか、何を知りたいと思うかなどを調査する計画である。常盤平団地や昭和30年代の暮らしに対する利用者の知識や考え方などは、常設展示とは関係なく利用者の声を聴取する予定で、2つの異なった方法によってFront-end
evaluationを行う予定である。 常設展示の団地の展示部分は、今後、利用者が中に入って見れるようにしたらよいのではないか、との案もあり、今回の調査は、企画展同様、常設展示のリニューアルにも役立つ情報を提供してくれるのではないかと、博物館では期待している。
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