〜『文環研レポート』16号より〜   
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環境教育のための教材は、どのように計画され、作成されると、期待された効果を発揮することができるのでしょうか。計画の基礎から魅力的な仕上がりまでを、具体的サンプルを見ながら探ってみます。

□はじめに
 総合学習の時間への導入などによって環境教育への関心の高まりは多くの場面で見られるようになりました。従来、学校や家庭での教育教材として、絵本や図鑑などが、その役割を果たしてきましたが、現在の環境教育のニーズに応えたものとはなっていないのが現状です。
この文章は、アジア各国の印刷に関わる人々を招いて開催されたユネスコアジアセンターのセミナーで講演した原稿を加筆・整理したものです。環境教育の先進地であるアメリカ、英国で開発されたものを紹介しました。われわれ日本での開発にも参考となるものです。
 多くの助言を、全米の環境教育の現場に人材を送り込んでいる、米国ウイスコンシン大学、スティーブポイント校の、ロン・ジマーマン氏より直接頂きました。氏等の成果を提供してくださった事を心から感謝いたします。

■環境教育教材の目的
1. 環境教育教材はインタープリテーションのためのツールである。
 環境教育教材はもちろん環境教育のために開発される教材でありますが、そもそも環境教育の目指す点を明らかにしなければなりません。環境教育の分野ではその拠り所をインタープリテーションに求めています。そこでインタープリテーションの父と言われるFreeman Tildenの言葉に聞いてみましょう。その著書“Interpreting Our Heritage”1977で「インタープリテーションとは、単に事実に基づいて知識を伝えることではなく、直接体験や教材により、実物や事象の背後にある意味と相互の関係を解き明かすことを目的とする教育活動である」と定義しています。
 ここで彼が同書で提唱する、インタープリテーションの6原則を挙げてみましょう。

1. インタープリテーションはビジターの個性や経験と関連付けて行われなければ効果がないであろう。
2. 単に情報を伝達することはインタープリテーションではない。もちろん情報の伝達の伴わないインタープリテーションはありえないが、インタープリテーションは情報を基礎とした啓発である。
3.インタープリテーションは科学、歴史、建築などから提供される内容やストーリーの多くの技能を複合した技能である。技能であれば多少教えることができる。
4. インタープリテーションのねらいは教えることではなく、興味を刺激することである。
5. インタープリテーションは一部分ではなく、全体を見せるようにすべきである。また、相手の一部ではなく、全人格に訴えるようにしなければならない。
6. 12才ぐらいまでの子供に対しては大人向けのものを単に薄くするのでははなく、根本的に異なったアプローチをすべきである。最大の効果をあげるためには、別のプログラムが必要である。

 Tildenの示す重要な点は「知識や情報の伝達ではなく、対象者の経験に関連づけ、自身の問題として環境を考えることを促し、自分の生活のありようについて考えをめぐらせることができるようにすることにある」としていることです。

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