| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 次のページ |

■環境教育教材の計画
 教材の開発を計画する時には「なぜ」、「誰に」、「何を」の3つの要素を検討する必要があります。

1. なぜこの環境教育教材が必要なのか?
 まずこの教材の開発目的を明らかにする必要があります。特に、この計画の実施者が明確にその使命・ゴールを描くことが重要となります。漠然と「情報を提供する」などではなく、利用者がどのようになることを望むのか。なにができるようになるのか。そのことの意味は?など、突っ込んだ議論が必要です。
特に、環境教育教材は環境との関係性をこの教材を通して実現しようとするのですから、利用者にどのように働き掛け、動機付けするかが課題です。直接対話することで、コミュニケーションを実現するのではありませんから、教材を通した、コミュニケーションをどのように果していくかが重要な課題です。
 繰り返しになりますが、知識を与えることが目的ではありません。しかし、知識という情報なしでは、学びが進展しないことも事実です。クワガタとカブトムシのその形の違いは、その名称の違いとして、認識されるように、名前が覚えられることによって生物世界の多様性を知ることができます。ただ、名前を憶えるより、興味を持ち、好きになることが先だと考えるのです。好きになれば、名前は自然と覚えられます。
 教材はあらゆる場面での利用が考えられます。それらの場面をしっかりと想定することも重要です。フィールドの中で利用しやすいハンディーなセルフガイド、家に持ち帰り比較的じっく
りと見ることのできるブック型、お母さんが読んで聞かせたりする絵本型、グループで使えるワークシートやゲー
ム型、そして、フィールド観察キットなど。使われる場面を想定することは、使い勝手の良し悪しを超えて、効果を左右します。
 以上のような課題を考慮しながら、この教材を開発する目的(ゴール・オブジェクティブ)を決定し、言葉で著しておきます。
 そのためには、チームを組織化し、それぞれの専門知識を集積することと、オープンエンドな自由な討議が必要です。以下、そのことに触れます。

1. チームの組織化
 どんなに小さな計画も一人で作られるものはありません。多くの専門家やスタッフが関わって仕事を実施することになります。全ての人が同じ目的の為に行動しなければなりません。
 専門家、スタッフとも協働の目的を遂行するためにディレクターのもとに集中しなければなりません。また、ディレクターはステイク・ホルダー(利害関係者・予算執行者)に対し、常に説得できる材料を持たなければなりません。
ディレクター:全ての責任者。方針決定者
アート・ディレクター:アート技術責任者
エデュケーター:教育の側面を担う
プランナー:計画立案
エディター:編集者
エディトリアル・デザイナー:編集デザイナー
コピーライター:テキストライター
イラストレイター:挿し絵画家
フォトグラファー:写真家
その他
これらの人々が参加します。

2. ブレインストーミング
 チームで共通のビジョンを形成するためにブレインストーミングによって
課題を明確にします。この場は自由な発言を大切にする話し合いです。ここで重要なことは自由な発言の雰囲気を
作ることです。どんな些細なつまらなそうな事柄でも記録します。そしていつでもその記録がみんなに見えるようにしておきます。利用者が感じることを思い描くことも大切です。
 これを通して何が目的なのかを明らかにし、ここでの決定は文章にしてチーム全員で共有化します。

| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 次のページ |