評価と検証をとり入れた展示開発‐自然共生研究センターにおけるケース・スタディー‐
〜『文環研レポート』18号より〜
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2. 利用者に関する調査

■利用者の属性設定と開発の進め方

 開所当時より行われている来訪者調査から見学者層を目的別に分けてみるとおおよそ三つに分類できる。

 過半数以上の来訪者は行政・企業等の河川現場に関わる人々(以下、河川業務関係者)を中心とした「業務視察」(約72%)である。以下、小学校高学年(以下、小学生)の「学習見学」(約16%)、大学等の教員や学生(以下、研究者)による「研究視察」(約9%)と続いている(4)

 研究解説パネル開発にあたり、この三つの属性を対象の中心に据え、基本的に子供から大人までがわかるよう情報提供を行っていくこととした。しかし小学生については、教科書の内容から判断し、高学年を対象に設定した。
 インタープリテーションの考え方を導入した展示開発では、計画の各段階で評価・検証を実施し、フィードバックを繰り返すことが重要であると言われている(5)。今回の研究解説パネルの開発に際してフローチャート【図1】に見られるプロセスで行った。

 以下、完成までの各過程で行った取り組みについて順を追って紹介する。

図1_研究解説パネルの開発プロセス

■利用者の興味・関心を知るための調査

 効果的な展示の計画立案には、まず開発に際する使命と最終目標、展示を設置する場所が持つ情報、そして利用者について明確にする必要がある(6)
 このプロジェクトでは企画段階で利用者の持つ「川の生き物と環境に対する興味・関心」を知るため、センターや小学校の教室でアンケート調査(被験者は河川業務関係者、小学生、研究者の計458名。)を行った。
調査票の設問は、河川における生態系の基本的な構成要素を【表1】のようにグループ分けし、各グループの中から興味・関心のある項目を一つだけ選択するものとした。
 各属性の調査結果を概観すると、いくつかの共通点を見い出すことができる。例えば魚、石や砂といった目にとまりやすくイメージしやすいものが興味・関心の上位に、水温や河床勾配のような比較的目にとまりにくくイメージしにくいものが下位にあがっている。
このような結果から得られたポイントを整理すると、河川の様々な要素や関係性を明確に伝えるには、視覚的に捉えにくくイメージしにくい要素を、いかに具体的にわかりやすく表現するかが重要という点が示された。代表的な結果として小学生のデータを集計したグラフを下記に示す【図2】。他の属性も似通った結果が得られた。

【表1】河川生態系の基本的な構成要素
空間 川幅
河床勾配(川底の傾き)
河床材料(川底の石や砂)
河岸
構造物
その他
流量(水の量)
流速(流れの速さ)
水深(水の深さ)
水位
水質(水の汚れ)
その他
生物 藻類
植物類
昆虫類
魚類
両生類
爬虫類
鳥類
哺乳類
その他
図2
【図2 河川生態系の構成要素の中で小学生が興味・関心があるもの】

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