評価と検証をとり入れた展示開発‐自然共生研究センターにおけるケース・スタディー‐
〜『文環研レポート』18号より〜
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3.評価と検証をとり入れた展示開発

■試作品(初回)を使った調査

 利用者に必ず読まれ、知りたい内容がわかり、研究者が伝えたい内容が正確に伝わることを目標に、研究解説パネルの開発が行われた。

 まず予備的な調査として「魚類」に関する研究解説パネルの試作品(初回)を、想定している製作寸法で作り、川島小学校とセンターなどに設置し調査を行った。
 調査の主たる目的はパネルが利用者に読まれ、伝えたい内容が正しく伝わっているかであるが、同時に全てのパネルに共通するパネルのレイアウトの検証も兼ねることも意図していた。

 横長の形態である研究解説パネルの左半分は、このパネルで伝えたい「研究成果」を展示のねらいとして定め、子供から大人までがわかるよう、見る人に問いかける文章で「問題の提起」を行い、それを受ける形の「簡潔な結論」で構成した。
 また盤面の右側には、研究の目的、方法、結果、考察など、より詳しい内容を河川業務関係者、研究者を主な対象に記述した(次ページ参照)。

 初回の調査は、センターの研究棟や研究成果を発表する会場、小学校の教室など屋内に試作品を設置して行った。パネルを見終わった後、調査票を用いて行った調査(被験者は、河川業務関係者、小学生、研究者の計92名)では、「利用者がパネルをどこまで読んだか」について明らかにするため、研究解説パネルの左右に分けて読んだ範囲を質問した。

 同時に詳細な感想や意見についても拾い上げられるよう自由に記述できる欄を設けたり、今後の調査結果を比較できるよう、パネルの「問いかけに対する結果は何か」、「パネルに書いてある文章はわかりやすいか」、「パネルの文字は見やすかったか」、「パネルの絵図や写真は見やすかったか」について、五段階による評価項目を設定した。
 利用者がパネルをどこまで読んだかという設問に対する集計結果は【表2】の通りである。盤面を左右に分け、「全部読んだ」人数の割合(平均値)を求めた。

【表2】試作品(初回)を用いた調査において利用者がパネルをどこまで読んだか
河川業務関係者 [左]33% [右]33%
小学生 [左]44% [右]16%
研究者 [左]88% [右]88%

 結果九割近くの研究者はパネル全般に目を通していることが調査で明らかになったものの、河川業務関係者と小学生についてはその割合が低い。中でも小学生は詳細な内容が記載されているパネル右側ついて、ほとんど読んでいない(16%)ことがわかった。
この理由を自由記述の感想や意見から拾い出すと、「情報量が多く読む気にならない」、「専門的な表現があり理解できない」、「文字が小さい」、などがあげられた。
 ここで抽出された様々な意見は、次の段階で試作されるパネルの留意点とした。


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