評価と検証をとり入れた展示開発‐自然共生研究センターにおけるケース・スタディー‐
〜『文環研レポート』18号より〜
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■試作品(改良版)を使った調査

 二回目の調査で使う試作品は、六つの研究テーマ全て作成された【表3】。

 各研究担当者は「魚類」のパネルを使った予備的な調査結果を踏まえ、伝えたいポイントを絞り込み、原案の情報量を更に削りながら編集を進めた。

【表3】六枚の研究解説パネルのテーマと内容
テーマ 研究内容
魚類 川の空間と魚類の生息状況について
付着藻類 出水と付着藻類の剥離の関係
河原植物 外来植物の除去と河原植物の生育状況
底生動物 川底における水生昆虫等の生息状況
水質 出水と河川自浄作用の変化
流下能力 増水時の河道内における貯留

 三日間かけて行われた二回目の調査(被験者は河川業務関係者、小学生、研究者の計28名)は、設置を想定している実験河川の見学ルートに沿って改良された試作品を仮り置き(前ページ参照)実施した。
被験者一人に、調査員一人が対応、各研究解説パネルを実験河川の上流から順番に見て回り、調査項目に従ってヒアリングを行った。
 被験者一人に、調査員一人が対応、各研究解説パネルを実験河川の上流から順番に見て回り、調査項目に従ってヒアリングを行った。

 今回の調査はパネルのねらいが利用者に伝わったかどうかに主眼を置いたため、被験者が研究解説パネルを全て見終わった後、パネルそれぞれの問いかけに対する結果について、「理解したかどうか」の確認を行った。
その他、研究解説パネルを前に「パネルに書いてある文章はわかりやすいか」、「パネルの文字は見やすかったか」、「パネルの絵図や写真は見やすかったか」「パネルをどこまで読んだか」について被験者に質問し、五段階で評価してもらった。
 自由記述からは初回の調査同様、いくつかのパネルについて情報量を減らすべきとの意見がみられた。また二回目の調査で得られた意見の特徴として、前回の調査よりも研究内容の詳細についてコメントしているものが多かった。例えば研究の意味や専門的内容について、わかりやすい文章で書き表して欲しいや、図式化して欲しい等、内容をより深く理解するために必要な改善を求めるものが寄せられた。
その他の質問項目では、絵や写真の見やすさについては評価が高かったものの、文章のわかりやすさについては前回同様、評価が低かった。あわせてパネルの情報提供がその現場と上手く結びついていない点も指摘された。これは現場とリンクさせて情報を提供すべき解説パネルにおいては重大な問題であり、今後の文章書き方や図版の表現方法、設置場所の工夫など様々な角度から改善すべき課題とされた。


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