〜『文環研レポート』18号より〜 |
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■今後の博物館評価の可能性:博物館の別の価値ともう一方の利用者現存の評価のあり方は利用状況を数量化するための方法である。この調査は利用者の社会的・地理的属性を理解し、博物館利用者が一般市民のどの層の人々かということについても突き止めさせてくれる。 だがその一方、現在の博物館評価のあり方では、まだまだ不十分な点が垣間見られることも否めない。例えば、現状の博物館評価では、博物館を訪れた人々が得た体験の質的価値について、我々の理解を深めさせてくれるものではない。また施設に足を運んでいない市民についても、十分な情報を得ているとは言えない。今後は、利用者による博物館体験の質的部分について洞察を深める評価方法の研究、また非利用者に関する詳細な調査・研究が課題となるのではないだろうか。 先に、博物館には、教育とリクレーションの場を提供する使命があると述べたが、この使命が達成されたかどうかを効率よく数量化し評価することは至難のわざとも言える。なぜならこれは個人的な体験に関わるものであり、来館者の数だけあると考えられるからだ。 こういった状況に対して、Antonia Simonの指摘する博物館の外部効果を最後に上げて締め括りたい。博物館は、利用する人々を扱うだけでなく、訪れない人達に対しても実は関わりをもっているのである。経済的側面からみて、非来館者にかんする博物館の価値として次の4つをあげている。 さらに上げられるのは、「遺贈」行為を担う施設としての価値である。我々には後世の者たちに現在を受け継いでいく義務がある。この活動を担う場として博物館の価値は絶対的なものである。 そして最後に上げられるのは「威信」(名誉)としての価値である。博物館は国や地域にたいして、自分のアイデンティティを感じるための機会を創出する場であるとも言える。博物館には、その街の住民、来館者、文化創造に貢献した企業家や政治家たちの行為が凝縮されている。こういった文化を創造していく営みを見つめ直すことのできる場が博物館であるというのだ。 |
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参考文献については、脚注として示したが、この他、参考となるものを以下に精選した。 Pierre Chazaud,Marketing de la visite culturelle et implication
du public, Publics et Musees, Vols. 11-12, pp. 39-65(1998). |
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