書籍紹介マイケル・グロスロン・ジマーマン共著「インタープリティブ・センター」
〜『文環研レポート』20号より〜
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■各章の内容

 著者らの情熱を傾けたインタープリテーション施設の理論と技術の実践的集大成であるこの著書は、これら施設を包括的に理解するには最適な図書ということができるであろう。特にアメリカの風土のなかで開発・発展してきた事情を良く理解することができる。
この著作を日本の事情と引き比べてみるとどうだろうか。確かにヨセミテ国立公園に代表されるアメリカの自然景観の壮大さは、やわらかな、人肌を感じさせるような日本人の好んだ景観とは大いに違い、畏怖される神的といっても良い程である。ビジターセンターがその神的ものに仕える神殿だと言うのは納得できる。しかし日本の自然のなかに、この神的景観を見出すということはそう簡単なことではない。
 一方ネイチャーセンターが地域コミュニティーに仕えるものだというのはどうだろうか。コミュニティーの言葉が日本の社会に馴染まないと良く言われる。なぜだろうか。過去のムラがそうだったのだろうか。その事情に私はあまりつまびらかではないが、少なくとも現在の都市部では、地域の共同体意識はすでに崩壊してしまったと言って良いだろう。また、つい先ごろまで絶対的帰属意識を与えていた「会社」も、そんな帰属意識はお荷物と放棄してしまった。地方から都市部に出て働く人々とその家族はまったく根なし草となったのではないか。著者らが言うように人は何らかの自分より大きなものに属そうとするのだろか。そうであれば、コミュニティー喪失と再生はアメリカだけの問題ではない。我々は何を中心にして集い、共同体を形成するのだろうか。そして何がその文字どおりのセンターとなることができるのだろうか。既存の博物館や郷土館をこの視点から再び検証する必要があるのではないか。
 理論、事例、キーポイントの記述など、長年教鞭を取ってきた経験から、細部まで良く行き届いている。ビジターセンターや環境系施設のみならず広く、地域社会のコミュニティーの核を探っている人たちには必読だと思う。


nterpretive Centers
The History, Design, Development of Nature and Visitor Centers
ISBN:0-932310-43-5,Hardcover: $79.50
ISBN:0-932310-43-3,PerfectBound: $69.50
Publisher: UWSP Foundation Press, Inc.
Order From: Schmeeckle Reserve
College of Natural Resources
University of Wisconsin
Stevens Point, WI 54481
Email:Schmeeckle Reserve@uwsp.edu
Phone/Fax: 715-346-4992

注)引用文の翻訳は筆者。


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