この施設の研究課題は「空間」「水」「生き物」「人」という項目で結ばれる関係 性に着目した内容になります。開設から一年間はこの施設がどのような状況であるの
かというポテンシャル調査を行いました。代表的な調査結果として蛇行した瀬や淵の ある多様な区間と、真っ直ぐで単調な区間の魚類の生息状況を比較した結果を紹介し
ます。調査方法は、実験河川の一定区間を区切り、その中の魚を調べるというもので、 電気ショッカーで一時的にショックを与えて、その瞬間に捕まえるという方法を採捕
しています。捕れた魚の数や種類、体重を測って比較したところ、単調な区間に比べ 多様な区間では魚の数も種類も多いことがわかりました。これは今までにも推測され
ていたことですが、実際に比較実験により定量的に実証したのはこのセンターが初めてです。[写真26.27.28]
他にも水棲昆虫の調査があります。石の裏側などに、どのような種類の昆虫が生息 しているのか、サンプルを採集して顕微鏡で確認するという細かな実験です。それか
ら、石の上に付着した藻類がどの程度の出水でどの程度剥がれるのかを調べる研究も あります。この研究については最近、実験河川の敷地内に石を並べた水路ができ、こ
れから詳細なデータが集められます。また、出水時に河川の水位や流速を縦断的、横 断的に調査するような物理面からの研究も行われています。この施設は専属のスタッフだけではなく、大学・研究所・民間の研究者も施設を活用して研究を行っています。
先日は大学院の学生がやってきて、水の成分分析のため採水をしていました。また地 元の高専や大学からも学生が実習に来たり、小学生が「ト休みのレポートを書きたい
から魚の採り方を教えてください」とセンターへ突然訪ねてきたりすることもありま す。センターでは毎年夏休みに親子教室というプログラムを行っています。実際に実
験河川で捕れた魚を観察し、魚にはどういう環境が必要なのかを知るきっかけを与え るプログラムなどを中心に行っています。このように多くの人が現場に来て調査や研
究を体験する機会が増えてきています。 |