それでは、昨年の展示の基本整備について、現在設置されているサインからご説明します。全体を案内するサイン、誘導するサイン、研究ゾーンを示すサイン、注意を
促すサインを整備しました。注意を促すサインは、ストレートに禁止を表現するので はなく、魚のセリフとして、『僕たちは振動に敏感です』と魚の感覚器官の側線をパ
ネルに描写して、実験施設内を走らないように注意を促しています。また、この施設 では魚類の調査を行っているため、ブラックバスやブルーギルなどの外来種を持ち込
まれると調査に影響が出ます。生き物の持ち込み禁止のためには、タナゴがブラック バスに狙われているシーンを描くなど、現実的な問題をイラスト化[写真29]してみました。研究ゾーンを示すサインでは、位置的な情報に加え、ゾーンの言葉の意味や役
割、そこで行われている研究の概要を入れました。研究や自然環境に関する情報の解 説は、現在整備されているサインだけでは不十分なため、これから新たにわかりやすく効果的な展示解説を計画していこうと思っています。
昨年、研究成果を発表する機会がありました。千葉県の幕張メッセで河川関連業者 や団体が集まって開かれる河川環境展という総合展示会への出展[写真30]です。私ど
ももブースを設けて、施設の概要と研究成果の一部を発表しました。これを機会にビデオやパネル、パンフレットを作り、研究成果を公表する準備が整いつつあります。
ビデオはできるだけ短いものにして、一般の人が一目で理解しやすい映像を編集してつくりました。また、実験河川に実際に棲んでいる生き物を会場に持ち込んで、飼育
展示しました。そしてそれらが川のどのような空間にいるのかを示すパズルを使った 解説板を設置しました。BGMに川のせせらぎを流したブース内では研究成果をわかりやすくパネルに表現したものを用意しました。従来の研究所の研究報告などのレイア
ウトではすべて読み切ってもらうことが少なかったため、この展示では「問いかけに よる問題提起」「研究のイメージ写真」「問いかけを受けた結果」という構成で、それだけを見れば研究のすべてが理解できるものを作りました。これは皆さんにお配りしている活動レポートと同じレイアウトの手法です。実験方法やデータを詳しく知りたい人には、さらに進んでデータをみてもらえるように別の箇所に詳細を記載しまし
た。そして末尾には研究の内容に責任を持つことと、研究ネットワークを広げるため、 担当者の名前とメールアドレスも掲載しました。レイアウトはこのように配慮し、さ
らにわかりにくい点などについては、現場のスタッフが解説しました。この展示は小 学生にもわかるようにレイアウトしたものではなく、ある程度施設の活動に関心を持
っている人に対して理解しやすいように配慮したものです。今後は河川事業関係者、 小学生、研究者向けなど属性ごとに適した情報発信の内容や手法を考えていきたいと
思っています。 |
| センターの周囲にはいくつかの関連施設がありますので、教育的な内容についても 役割分担をしたいと思っています。センターでは研究成果を中心とした情報を広く発
信し行く考えでいます。この研究センターの特徴は、実物の川を見られることです。 また、800メートルの間にいろいろな空間を見ることができ、出水時には水の流れの
変化を見ることができることが特徴になると思います。実際の自然環境で、様々な空 間や洪水の様子を一度に見ることは難しいと思いますが、ここでは可能です。そういった施設の特徴をうまく利用して、オリジナリティーの高い展示を展開していけたら
と思っています。 |