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◆センターのテーマ ━ハビタット(生物の生息空間)━
 センターのテーマを考える上で重要になるのは、ハビタットという考え方です。ハ ビタットとは生物の生息空間という意味です。ハビタットの構成要素をグループ分け すると、「水」「空間」「生物」という3つのグループに分けられます。「水」には 流速、水位、水質などが、「空間」には川幅、河床、河岸、構造物などが、「生物」 には魚類や両生類などいろいろな種類のものが構成要素として含まれます。既存の研 究領域にあてはめると、「水」と「空間」が土木工学の分野が主として扱う項目、 「生物」が生物学の分野が扱う項目となり、ハビタットというセンターが扱う研究テ ーマが既存の学問領域の中間領域にあることがご理解いただけると思います。つまり まだ研究としても始まったばかりの領域についての情報を展示内容として扱うことに なります。

◆展示計画は多くの人と関わりながら進められるべき
 最後に、現在、私が展示計画において取り組みべき課題として考えていることをお話しします。展示の考え方においては、環境教育を意識して、インタープリテーションの考え方を導入していくことが河川生態系の展示をしていく上で重要だと思います。 その時、展示を通じて何を伝えたいのか、目標とねらいをはっきりと定めることが重 要です。展示内容については、まず河川生態系の特徴を整理する必要があります。水 族館の話の中でもとりあげましたように関係性、連続性という特徴の他に、変動という特性も重要です。このような河川生態系の特性についてよく理解して、学術的に正 しく整理し、展示を通じて伝えたい内容を編集していくことが重要ではないかと思います。また、センターの研究分野は未開拓なテーマも多いため、これからの関連分野 の調査研究の蓄積が必要とされます。そして、これは私自身が痛感していることですが、やはり河川に関わる専門家がもっと展示に加わる必要があると思います。専門家が参加することは、展示の充実のみならず、その分野の研究の発展にもつながってい くのではないかと考えていますので、これから多くの場面で呼びかけていこうと思います。展示方法については、情報発信をする側にいる私たちの展示意図と、情報の受 け手となり利用者との要望のすりあわせが重要だと思います。あと、内容を最も効果 的かつ正しく伝えられるメディアを選択する必要があると思います。ではどのようなメディアを選んだら良いのか。現在世の中には多種多様なメディアが存在しています が、個人的には双方向性や多くの感覚に訴える伝達メディアが今後求められると思っ ており、センターではそのような視点も考慮して展示を制作していきたいと思っています。それから先ほども水族館展示の動向のところでお話しましたが、展示シナリオ によるストーリー性の演出が重要であると考えています。また、展示の効果測定や展 示に対する評価・検証については、展示の企画段階から考えていこうと思っています。 まったく同じような条件での展示評価が行われた例は過去にありませんので、過去の 代表的な事例に学びながら、ここで実施できる適した方法をよく考えて、評価方法自 体も検討したいと思っています。展示計画は多くの人とかかわりを持ちながらながら 進められるべきだと思っています。このような多くの課題について一つ一つ綿密な議論を重ねるためにも、センターでは参加型の取り組みを実現していくことができれば と思っています。
【自然共生研究センターURL】http://www.pwri.go.jp/pwriweb/index.htm

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