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■身体的ハンディをもった人たちも楽しめる展示
 筆者が1日かけて取材している間、肢体に不自由があり車椅子を利用している人のグループと、視覚に障害をもった人のグループに出会った。
 施設的には、全館ほぼ階段を用いず、スロープによる移動が可能なこと、通路幅をでき得る限り広くとっていること等がバリアフリー対策としてあげられるが、他にも子供が見やすい位置に覗き窓や展示物がいくつも設置されている[写真9]ことから、それを利用して個人個人のペースで水族館を楽しんでいる様子が伺えた。
 車椅子の人を見れば優先的に見やすい場所に出してあげたり、小さな水生動物が触れるタッチプールなどでは健常者と分け隔てなく対応するなど、来館者と運営サイドの成熟度も垣間見られた。[写真10]
 個人的に興味を持ったのは、日本から視覚障害を持った人たちのグループが見学に来ていたことだ。[写真11] 館内が薄暗いので、杖を持った本人と付き添いの人、二人一組で見学している以外は、健常者とほとんど変わらない様子である。最初は、グループでまとまって行動していたが、次第にある人はタッチプールでヒトデなどの生物に触ってみたり、いくつも用意されているサンゴ礁のレプリカに触れたり[写真12]、自分の興味に合わせて少しずつばらけていった。 水族館には、けがを負ったり、すみかを失ったため、野生にもどることができなくなったアザラシやアシカを保護している「Seal Sanctuary」[写真13と14]というコーナーがある。その中に設置された20人も入れば満杯になるような観察スペースは、床・壁がガラス張りで水中での動物の様子が間近に見られる。
 [写真15]は、そこでアザラシを見ている視覚障害をもった来館者を撮影させてもらったものである。水族館の印象を尋ねたところ『いいねー、良く見えなくても、(水族館は)中々楽しめる。特にここ(の観察スペース)は海の中にもぐってアザラシと遊んでいるようだ』と好評であった。
 身体的にハンディがあっても、色々楽しめる要素が多いので、このようなグループにも人気が高い、また付き添いのため来場する人には入館料が免除されたり、グループに対しても特別なディスカウントがあるため来場があとを絶たない。










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