目次 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 次のページ |


桜井政太郎氏、左の球は太陽の10億分の1の模型




 岩手県盛岡市にある「桜井博物館」は、館長の桜井政太郎氏が何十年にもわたっ て 収集した膨大なコレクションを有する私設博物館だ。建物の外観は全く一般の住宅 の たたずまいで、博物館という表示もあえて掲げていないので、近隣の人たちでも 、その存在を知る人は少ないという。しかし、一歩館内に入ると、そのコレクションの 多 様さと豊富さに思わず息を呑むほどの、れっきとした博物館なのである。
 そしてここは、視覚障害者のための徹底した「さわる博物館」である。館長ご自身 が、幼いときに全盲となり、三十数年間盲学校で教鞭をとられ、視覚障害者にとっ て の「さわって知る」ことの重要さを、身をもって体験されながら、その啓蒙と、感 動 の創造空間としての「さわる博物館」を、奥さまと共に創りあげてこられている 。現 在は、すべての公職を引退され、この博物館に集中されているが、講演会やカウン セ リングなど多忙な日々が続いている。それでも、盲学校の人たちの修学旅行や研修 な ど、大量の来館希望を断ったことは無いという。
 大きなリビングルームでくつろぎながら、桜井館長のお話をうかがった。やさし い 笑みをたたえながら桜井さんは語る。

「このリビングはいつでも十何人がソファに座れます。二十人以上になれば床のボ ッ クスから椅子を出して座れるようにしています。いわばサロンになっていて、皆さんにくつろいでいただけます。なかには半日くらいいたり、疲れていて人が少なけれ ば 横になってもらってもいい、リラックスしてお茶でも飲みながら、博物館や福祉や 障 害者のいろんな話をしたり、とにかく気軽にしてもらえるようにしています。」



目次 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 次のページ |