![]() ![]() |
| 建設現場風景 |
津田―子どもたちは、いわば次の世代として地域を作っていく存在で、地域の活力もそこからうまれてくるわけです。地域が子どもを育てていかなくてはならないということは、頭では理解できていても、市民社会の中では市民と子どもが切れてしまっている。ある意味で、赤の他人の子どもに関わるということは、相当意識付けをしていかないと出来ないことだと思います。
山田―私の考える地域教育というのは、ほんの少し前、昭和 年代くらいまであった地域の良さを生かしていこうというものです。かつては、外の遊びも異年齢の仲間と遊ぶことも、地域のおじさん、おばさんの存在や「どこの子どもも我が子」という連帯感のようなコミュニケーションがありました。それを復活させるための仕組みをつくって戻そうとしているわけです。
自分の子どももよその子どもも同じように接し、育ててほしいというのが、私たちが市民の皆さんに期待していることです。遊学館でそれが実現すればひとつのモデルとなって広がっていくと思います。市民に参加意識をもってもらうことで、他にはない「釧路方式」とも言えるユニークな運営方式が出来るのではないかという確信が、市民の活動を通じてもてるようになりました。
津田―まさに日本中のあらゆるコミュニティが、もう一度それを実現したいと望んでいることで、苦悩しているところでもありますよね。これには秘訣はなく、努力と意識の持ち方ですね。そういう時に、行政の役割と市民の役割は明確に分けられるのでしょうか。
山田―これはやはり行政の施設ですから、公の施設である以上、行政に最終責任があります。私たちが市民の方々に期待しているのは、管理全体ではなく、子どもたちとのかかわりという事業や運営の部分です。それがうまく機能すれば、素晴らしいものになると思います。市民の皆さんが考えたことは、我々がサポートし、支援して実現に近づける。公設市民運営方式といっていますが、市民の方々に運営を担っていただき、責任は私たちが負いますから思い切ってやってください、ということなんです。
津田―開館への準備が着々と進んでいると思いますが、市民の方たちの状況はどんな様子なのでしょうか。
山田―平成12年7月に市民の方々のグループによって組織された「こども遊学館をつくり・育てる会」が発展的に改組され、今年の3月NPO法人こども遊学館市民ステージになりました。その間、ずっと夢を持ちつづけていただき、やっと形になってきたということです。プレッシャーもあるでしょうが、我々行政の期待と市民の皆さんの夢がドッキングする形でオープンを迎えればいいと思っています。
平成12年度から160回もの会合を重ねてきたのです。そういう思いを、消してはいけないと思います。そのため我々は全面的にバックアップしていきたいと考えています。これからの課題は、NPOの方々だけではなく、ふるさととしての地域の共同体の一員として、より多くの市民の方々に関わってもらうことですね。NPOの皆さんは中心メンバーになっていただくとして、これからより多くの市民、地域のみなさんに参加の呼びかけをしていただけるものと思っています。
津田―市民の方々のネットワークの広がりですね。そういう意味でも、幅広い方々が参加している今の段階でも、非常に可能性があると思います。市民NPOは閉鎖的になってしまいがちなおそれもありますから、そこをいかに打破していくかということですね。ここがひとつの成功例になれば、注目が集まると思います。それぞれの自治体で、全然機能していない施設がたくさんあるわけで、それを市民が自分たちのものだと認識した途端に、ガラッと変わる可能性がありますね。
山田―様々な経験を有する人々が関わっていって、市民主役の施設であるというコンセプトを引き継いでいってほしいと思います。それが、市民の方々が参加する意味でもあると思います。
学校もスポーツも同じです。遊学館はその典型です。広域的に多くの子どもたちが来てくれて、いろいろ楽しい出会いや感動が生まれることを楽しみにしています。ここから釧路の教育、ひいては日本の教育に対して「こういうやり方がある」というのが広がっていけばいいと夢を描いています。
津田―ありがとうございました。